第2話 大都市ルベリオ

(傍観者は何時の時代も視ているだけ。

なら今の私は何なのだろう...私は世界に降り立ち

実際にその世界に触れいている、それは傍観者といえるのだろうか...)


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小さな優しき村ヘルヴを出てから2日程立った

目には大都市と呼ばれている場所、ルベリオが見えている。

大都市ということだけあって、かなりの人が行き来しているようだった。

この大都市ルベリオは、いくつもの機関が存在する。


マナというエネルギーを元に特殊な事象を発生させる、魔法使い

その魔法使いを育成する機関、【魔法学園】


機械的な最新技術によって製造された兵器を使いこなす精鋭

その精鋭を育成する機関、【兵装学園】


生まれついて持った異能などを使用する、超能力者

その超能力者を育成する機関、【人知研究機関】


この世界の人間は本来マナというものをみんなもとより持っている、その量が人により違うらしい、多い者は魔法学園に、少ない者は兵装学園に、そして特異な力を生まれ持って持ったものは人知研究機関に。


かといってマナが少ない人間が兵装に絶対に行く、というわけでもない

これらは大きな組織の一つにすぎない。


それらに入らず、自らその組織を作る者もいる。


その組織、すなわち【ギルド】、中には人数が多く、大規模なギルドも存在するが、基本的には少数、小さな組織がギルドという解釈で問題ない。


魔法学園、兵装学園、人知研究機関を出たものは最終的にギルドを設立するかギルドに参加する事になる。

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「機関としてはこんなところですか」


(そして 魔法学園、兵装学園、人知研究機関には1年に一度大きな大会、そして 半年に一回、能力認定の大会があるそうだ。)


(その大会で成績を残す事により、ギルド設立時に優遇された待遇を受けれたりするらしい。)


(私はこの世界から見れば、人でもなければ超能力者というわけでもない。

むしろ人という存在ではない。

概念がそもそも違う、だがこの3つの内1つに入るのも悪くはないだろう)

 

(この私が入れる場所、兵装は無理がありますね...魔法学園か人知研究機関ですが)

(この世界の理に従うのであれば、魔法学園に入ってみるのがいいでしょう)

(あらゆる事象を視てきた私とて、今この時点のこの世界の異能をすべて把握しているわけではない、なにせ傍観していたのは、つい数日前までなのだから)


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「さて、する事は決まりました」

「まず、魔法学園に入るための試験を受け魔法学園に入る」

「魔法学園に入ってからの半年の間に色々な者に接する」

「半年後に開催される大会で良い成績を取る」

「とりあえずはそこまでの計画でいいでしょう。」


自身の中でそんな事を考えながら魔法学園に向かっていると

一人の男が話しかけてきた


「なぁアンタ!  アンタだよ! そこの銀髪の!」


振り返ったそこには 外見年齢は自身とさほど変わらない青年が立っていた


「おっ?やっと反応してくれたな!」


「なんでしょう?」


「魔法学園の試験に行こうとしてるんだろ?」


「はい」


「なら一緒に行こうぜ!俺もなんだ!!」


「ふむ...」


「どうした? 俺が魔法学園の試験受けるのがそんなに驚きか?」

「いやわかるよ?俺見た目完全に兵装行ってそうな感じだもんな ハハッ」


その青年は笑いながら自身の持つ拳銃のような物をこちらに見せてくる


「これはパッと見拳銃に見えるけどな、撃つのは弾丸じゃないんだよ、魔法を飛ばすんだ、この銃の中に魔法をかけておくことによって、手間を省くことができるんだよ!」


「なるほど...そういう使い方があるのですね」

やはり実際に世界に降り立って見るのと自身の世界から視るのとでは違う


「おっと自己紹介が遅れちまったな!俺の名前はハイド! ハイド・アーヴェル」

「まぁ親しみを込めてハイドって呼んでくれよな!」


「私の名前は、ルゼ  ルゼ・バイスタンダーです」

「私の事もルゼと呼んでください」


「OK! よろしくなルゼ!」

「おっと、そうこう言ってるうちに着いたみたいだぜ!」


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こうして私は不思議な男、ハイドと出会ったのだった、そしてここから試験が始まる、だがそれは次のお話し














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