カビと冬
コンクリートも、階段の手すりも、いつかは花を咲かせるような春を待っている。灰色の肉体の上でも、どこまでも伸びるような若緑と華々しい色合いを表面に踊らせる季節。
そんなコンクリートをバカに出来るほど、俺には何の熱もない。黙って彼らの上で横たわって、いつかは死んでおぞましい緑や赤いカビを生やして手向けること。そんなことを考えたって出来やしない。俺達は冬に覆われている
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