容姿も美しく、気立ての良い女性。愛され、恵まれた環境で暮らしている。にもかかわらず、満たされていない。
その満たしが「もっと今よりも恵まれること」ではなくて、「何か欠けること」によって与えられる、そういうこともあるだろうなと共感しました。
高須クリニックの社長が恋人の西原恵理子さんの整形をかたくなに拒む。その話と心の中で共鳴しながら読んでいました。
「人は欠損を愛する」それが整形を拒む理由でした。
彼女は、自分の欠損した部分をうまく取り繕うことにより表現するすべを失ってしまった。それが悲劇の始まりだなぁと。
本当に、とても深い話でした。
素敵な小説をありがとうございました。