美少女化したオリキャラまで参戦してきてハーレムの主が疲労困憊 2
龍二の無謀なフードファイトを観戦しながら、俺は考えた。
もしかして龍二や弥会長も、小説の影響を受けたりしているのだろうか。
というのもこの二人もまた、バッチリ登場人物のモデルだったりする。
運動が出来る龍二は、小説の中でも物理攻撃に長けている。
例の、戦闘力の高いユジンだ。
シルヴィアの……というよりは皆の兄貴分みたいな感じかな。シルヴィアと同じく、雪奈も『お兄ちゃん』と呼んで慕っているしね。
色んな運動部に助っ人として駆り出されたり、弥会長の愛情表現(物理)でよく怪我をするので、龍二は包帯を巻く事が多かった。
その為、包帯はユジンのトレードマークであり、メインで使う武器でもある。硬さや長さを自在に操れる設定で、鞭にも刃にもなるんだよね。勿論ロープにもなるから非常に便利だ。
そんな訳でユジンは物語に登場してからアクション率が高い。下手したら主人公のマーテルよりも殺陣シーンの回数が多いんじゃないかな?
秋陽、自分でも『ユジンは真主人公』って言って笑ってたっけ。
己の分身よりも出番多いって……作者、贔屓しすぎだから!
あと弥会長のリクエストにより、衣装は半裸だ。
程好く筋肉質だから多分似合うんだよね。むかつく。
ご飯喉に詰まれば良いのに。
そして弥会長は、フリズレイアの公爵家の令嬢セラス・ダネスというキャラクターだ。
幼い頃、ダネス家に養子に出されたマーテルにとっては、義理の姉に当たる。
現実では……変なリクエストを聞いたり、秋陽と喧嘩をしたりする、良いんだか悪いんだかよく分からない仲だ。
いや本当、女子って謎の生物だよね。
そして、何故俺がこの二人の事を気にしているかというと……次の話、第三章『災厄姫と死霊達の鎮魂歌』の主役がユジンだからだ。
まぁセラスも出てくるけれど、そこも多分作者の贔屓だろう。
そもそもユジンというキャラクターは、リクリスタの更に西にある国の出身という設定だ。
気性が荒く喧嘩に明け暮れる日々を送っていた彼が、ある日瀕死の重傷を負わされ、そこをリクリスタの魔術師に助けられる。
恩人となった魔術師は『葬列』の二つ名で呼ばれる死霊魔術師、エルネスト・ティノスだった。
死者を蘇らせるという神にも迫るような研究をしている癖に、死体に敬意を払うという妙な事に拘りを持っていて、変人と称されている。
何となく、ユジンは彼の身の回りの世話などをする事にした。
俗世の事に興味を持たず、簡単に寝食を忘れる彼が、放って置けなかったんだろう。
けれどエルネストは新生リクリスタに付くという選択をし、ユジンに宣戦布告する役割を与えてイニストに送り込む。
その後、セラスやマーテル達と何度か戦うんだ。
でも、ユジンは段々と違和感を覚える。
理由はエルネストの弟子、ネラル・アークヴォルグの存在だ。
ネラルもまたネクロマンサーなんだけど、師であるエルネストとは全く逆だった。
死体を弄び、時に継ぎ接ぎしてキメラのような存在を造る。その事でエルネストとは何度も衝突をしていた。
そんなネラルもユジンと一緒にイニストに来ていて……『芸術作品を自由気ままに作って』過ごす。
本当に、エルネストがそれを許したのだろうか? 疑問に思ったユジンは、ネラルのいない隙を狙って一旦リクリスタに戻る。
多分この辺りが……俺がグラシアで過ごしてる時に、イニストで起きていた事なんだろう。その筈だ。マーテルがいない事以外は、だけどね。
さて、ストーリーの続きだけど。
クリスパレスから一日くらい離れた場所にある、エルネストの研究工房を訪ねたユジンは……師がネラルの手で殺されていた事を知る。
最後に会った時には、既にネラルによって操られていたのだ。
工房近辺に動く死体が現れ、これを倒す事になったマーテル達は……孤軍奮闘するユジンを発見し、一時共闘してネラルを倒す。
ネラルは行方不明になって、後々も暗躍するんだけどね。
皆で死体を埋葬して……シルヴィアがその上に花を咲かせる。
それが、第三章の内容だ。
あっ、その後セラスのアプローチ(物理)もあって済し崩し的にユジンは仲間に引き込まれるっていうのがエピローグだよ。
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