第14話 衝撃の告白!
「しのぶ! 俺、お前のことが……好きだ!」
い、言った―!?
ここで全ての流れを無視した、まさかの告白シーン突入!?
「よくこの状況から告白しようと思えるな……さすが生徒会長」
伊勢の言葉も耳に入らない様子で、生徒会長と和泉さんは見つめ合った。
「そんな……ひー君がそんな風に思ってたなんて……! 全然気がつかなかった」
マジかこの子。バレバレだったでしょうが。
「フッ……誰にもバレないよう、心の底に封印してきたからな。お前にとって俺は、
近所の頼れるお兄ちゃん……それでもいいと思ってきた」
見たまんま、だだ漏れしまくってましたけど……。
「でも、いつまでも俺がお兄ちゃんでいる間に、お前はどんどん綺麗になっていって……これ以上、今のままお前を見てるのに耐えきれなくなった」
生徒会長は和泉さんの手を握り、熱く語った。
「いちかばちか、踏み出そうと思ったんだ。……それなのに、見も知らない誰かにお前が振り回されてるのは、どうしても我慢できなかった」
「不思議……いつも傍に居てくれたのに、ひーくんのそんな顔、初めて見る」
「あんな怪しいプレゼントのことなんか、もう考えるな! ……俺がいるだろ」
和泉さんはうっとりとした目で生徒会長を見上げた。
「ひーくんが私にそんな風に強い言い方するのも初めて、かも」
「お前を怖がらせたくなかったんだ」
「ううん! 怖くなんて……ないよ。でも、何でだろう……すごくドキドキするの」
何故だろう。見ているこっちはすごくイライラする。
「しのぶ……」
「ひーくん……」
「って、ちょっと待てえええ!!」
本格的なラブシーンに突入しかけた空気を、我慢できなくなったお兄さんがぶち破った。
「今いいところなんで邪魔しないでください」
「お前らの恋愛模様はどうでもいいんだよ! 中身は!? 中身はどこへやったんだ!」
「中身? ああ……あの妙な形をした時計ですか」
我に返ったらしい生徒会長が、気まずそうな顔になる。
「女性に贈るにはちょっとマニアックな外見というか……あれ、どこで買ったんですか? 随分使いづらそうでしたけど」
「時計じゃない!」
お兄さんはわめいた。
「あれは時計なんかじゃない! あれは……!」
「爆弾」
放り込まれた単語に、お兄さんがギクリと止まった。
「……爆弾?」
振り向くと、小町先輩が眉を寄せてお兄さんを見つめていた。
その顔からは、いつもの穏やかな微笑みが掻き消えている。
「だから必死になって取り返そうとしているのよね、プレゼントボマーさん」
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