第9話:変調と本能

 黒く暗いやややや闇の中から見上げると虹色のひひひひかひか光が無数のわわ輪になって降り注いできてきたから目を細めて見つつつ続けていると潮騒のような砂利を踏むような竹籠の中で小石を転がすようなビーズをうちわで挟んで擦り合わせるような音が耳の中に侵入し鼓膜をこれでもかとふふふる震わせ顔面に大きな雨粒が私を否定し洗い流そうと降る光景の薄墨を流し込んだ空を写し込んだ水たまりを揺らす風は幾何学模様の渦を生み出し彼方へ追い出そうそうと躍起になってあし足脚をすくい上げようと絡みつくが途方もない徒労ろうに終わり私は未だにこの場所から動くことができできできできずに痛み苦痛孤独と共にあぐらをかいていると奇妙奇天烈摩訶不思議なさささんさ3人の賢者の歩みが響き松明の揺らぎが激しくなるのののを感じながら見つめていると無性に殺虫ちゅう剤の香りが眼から鼻へ抜け錆色の大地が星々のように輝く下で私は手を伸ばすがガラらすス天上の前に指は壊れ腕は柔らかくそそののそその形を維持することを放棄し溶解していくさまを窪んだ瞳くすんだ瞳が朧気に眺めるもただただただ見ていることしかできず崩落していく足元は睡蓮の蓮が水面下に沈み込む力無きむむ無抵抗の静けさを纏って偉大なる心象風景の深淵が私の内界から外界へ発露しようと発現しようと食い破ろうと反転しよううと這い出ようともがき暴れ喚き叫びさけさけけけび必死に主張を続ける動きを神的視野に収めその躍動と鼓動を意識しつつつつ蛇含草を舐めた末路結末におけおおける人々の如く形無く音無く匂い無く温度無く無く無く存在の有無を求める人からの逸脱を可能とする願望の羨望に見た展望に絶望を獲た果てから一線を越えてたゆたう岸壁の下にたむろするミミズの束のからから絡みつく様の恍惚ささにさに見惚れた私は快楽愉悦悦楽快楽音楽に浸りながら根源的野生性に侵され犯され二次的理性性せいいを失った故にににに暗闇常闇に飲まれ肉体的制約を剥奪され止めどない狂気鬼神に取って代わられ眼前に閉ざされた重く固く厚くキツく見えない扉の隙間から薫る香る自然に今沸き立つ想い思いを抑えることはできできで出来ない。

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