食)No.50「四つの調味料」ータイ飯あるある
タイ飯食う際には必ず「四つの調味料」と出くわす———。
タイ飯食堂や屋台飯のテーブルには必ず(無いとこがおかしいくらい)と言って「四つの調味料」セットが並んでいる。
さしずめ日本食で言うとこの醤油やソース、七味みたいな感じか。
「砂糖」「酢(みたいな酸っぱいの)「唐辛子」「魚醤(ナンプラー)」
が、その「四つ」である。
タイラーメンを食いに行くとする。
その屋台の傍には三つ四つのテーブルが設えられていて、その上にも必ずあの「四つ」のが並んでいる。
で、最初はタイ人がやってるのを真似したりする。彼らはその「四つ」の調味料を全部入れるのだ———。
ラーメンに砂糖? 酢? ありえんし——だ。
それも砂糖をスプーン一杯じゃない二杯、三杯と。甘いラーメンですよ? いいんですか?それで———。
次に、「酢」「魚醤」、そしててんこ盛りの「唐辛子」とくる。
ってか、どんな味やねん、それ———である。
正直に申し上げると、私はいまだに彼らの「味覚」がわからない。関西風薄味で何十年も育ったワタシには到底理解できないし、したくもない、真似したくもない。私が入れるのはせいぜい「唐辛子」くらいなもんだ。
ある時、タイ人従業員を日本に研修へ連れて行ったことがある。彼らに素晴らしい「日本食」を食べさせてやろうと、ワタシは密かにあれやこれやと計画していた。
まずは、日本の美味しい「肉」だ。「近江牛」の霜降りしゃぶしゃぶ。はっきり言って予算オーバーである。
さぁー、遠慮せんと食えよ、こうやって、しゃぶ、しゃぶ、ってやって柔らかいうちに食うんだぞ———。
彼らは「生煮えの肉」は食わない。赤身がなくなるまで、しゃぶしゃぶやっている。いや、しゃぶしゃぶ、するのもやめて鍋の中に放ったらかしだ。ワタシは気になって仕方ない。
肉が固くなるからはよ、食えよ——。
そう言っても彼らは「微笑んで」るだけ。
そうです、彼らは日本の肉みたいな「歯ごたえ」のない肉は食ったことないので、「物足りない」のだ。顎が疲れるくらい、ともすれば一万回噛んでも原型を残してるような肉しか食ったことがないので、彼らの正直な感想を代弁するとこうだ。
——こんなの肉じゃない
ワタシはその日以来絶対彼らに「高級肉」を食わせることをやめた。アホらしい、奴らにはファミリーレストランのステーキセットで十分なのだ。だって、彼らはそっち食べた時、至福の笑顔をワタシにくれたのだから———。
それなら、タイ飯に近い「中華」ならどうだ、と「王将」へ連れて行った。ラーメンセット。そう餃子とチャーハンが付いたやつ。
さて、彼らの行動はいかに———。
探してます、探してますよ、ほら、例の「四つの調味料」を(笑)
さすがに「王将」のテーブルの上には「砂糖」は無かったけど、「ラー油唐辛子」「餃子のたれ」があったんで、それをどんだけ入れるねん!って感じでほりこんでましたよ(笑)
そして挙句の言葉
——このチャーハン、油っこくて体に悪いよー
はぁ? 「体に悪い」だと?
(君ら、そんなこと言われるとは、百年思わんかったぞ)——。
あの不衛生極まりないタイ飯屋台で、何十回も使った油で揚げたもん食っとる君らにだ、言われたくねーーよ!!!
ってなことで、ワタシは彼らにはコンビニの「カップ麺」で十分だと悟ったわけです。夜食にと買ってやった「カップ麺」が一番美味かったって、後で聞いたんで。
何万円もする「近江牛」しゃぶしゃぶ———きっと君らはワタシに遠慮して「食べて」くれたんだよね………
「歯ごたえのない」油だらけの肉を————。
【駐在員心得】
タイ人を日本で「接待」するなら、「カニ道楽」へ連れてゆけ。
流石に「川カニ」しか食ったことのないタイ人には「ずわいカニ」は高級食材であるらしく、「うまい、うまい」の連発で食ってくれますよ。夢々、「高級肉」なんて食わすべからず———。
んじゃ、今日はこの辺で。
|...........λ by ピエ太
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