第26話開始

 次の日せっかく面接を受けた清掃業者から採用の報告があったのだが、断りの報告をした。自分勝手で申し訳ないが州夜と一緒に働く道を選んだ俺に迷いはない。

 本格的に仕事が始まるのは来週かえらなのでそれまでは州夜の雑用として使ってもらうことになった。


「そうなんだ。就職おめでとう。」

美奈子と電話で就職したことを伝えた。

「たぶんこれから俺も忙しくなって前みたいに時間に都合つかなくなる時もあると思う。」

「そんなことは気にしないで。仕事なんだから仕方ないし、二人の時間が会う時は積極的に会うようにしよ。」

「ありがとう。いくら友達のところで働くからって甘えたことは出来ないし、相手の事に腹立つこともあると思う。だからその時は愚痴とか聞いてくれないか?」

「私で良ければいくらでも相談してよ。その代り私の愚痴も聞いてもらうこともあるからね?」

「その時はお互い愚痴大会でも開いてストレス発散しよう。」


美奈子と電話を切った後俺は急いで仕事に必要なものを揃えるため買い物に出かけた。


作業着や軍手、必要なものはあらかたそろえたし、あとは帰るだけ・

俺は帰り道とぼとぼと買い物袋を両手にぶら下げて歩いていた。

すると州夜から電話がかかってきた。

「もしもし?」

「お疲れ様、明日から現場入ったからよろしく頼むな。」

「見積もり取れたのか。」

「大分まけてやったらすぐに承諾得たから。明日からは忙しくなるから今日は早めに寝ておけよ?」

「わかってる。明日何時から?」

「とりあえず8時に俺の家に来てくれ。」

「了解です。」そう言って電話を切った。

ついに仕事か。いきなり緊張感が張り詰める。


翌朝州夜の家に行き車を乗り換えて現場に直行した。

 あまり仕事なんてしたことがない俺だから要領も効率も悪い。州夜の支持されたことをこなし、へとへとになって家に帰ってきた。


 あいつ今迄一人であんな仕事していたなんて思ってもいなかったな。州夜を初めて尊敬した。俺もいつかあいつみたいに仕事出来るようにならないと。

 肉体労働したことないからもう腕とかぱんぱんだ。乳酸がたまっているのが自分でもわかるほどに。

 いつの間にか俺は完全に寝てしまっていた。

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