第24話プレッシャー

 俺の体はいったいどうしてしまったのだろう。あれから数日たったがそれでも別ルートの移動することが出来ない。

 このままでは生活が出来なくなってしまう。こんな生活を続けていたから貯金なんて微々たるものだ。力が使えなくなってしまったのだからきちんと真面目に仕事をしなくてはならない。

 俺は急いで求人を探す。アルバイトだってなんだって良い。ただ働くことさえできれば。

必死になって新聞の求人欄や広告の求人に目を通す。

 どこでも良いから自分が務まりそうなところを必死に探した。思ってもない就職活動。いままでろくに働いたこともない俺が仕事なんかできるだろうか。でも今は生きていくため、そんな悠長なことも言ってられない。目についたところから手当たり次第電話をかけた。

 (アルバイトのところはその日のうちに面接までいけるはずだと思い、アルバイトの求人を探した。)


 ようやく何件か電話して面接までたどり着いたのが清掃業の仕事だった。『素人でも大歓迎』と書いてあったので俺でも出来ると思った。

今日の夕方ちょうど都合がよいそうなので俺は慌てて履歴書を買いに行き証明写真を撮って提出できる形にした。

 人生初めての就職活動、俺には無縁だと思っていたのだがこんな日が来ることになるとは思ってもみなかった。履歴書の最終職歴に高校卒業と書いただけの履歴書が恥ずかしかった。俺はいったい今迄なにをしていたのだろう。自分を責めた。


 面接の時間が近づいてきたので、その清掃業者まで行くことにした。スーツを着るのは結婚式の時くらいしか着たことがなかったのでどことなく違和感があった。

 いよいよ勝負の時だ。手に汗が沸いてくる。就職活動している人はみんなこんなかんじなのだろうか。

 俺は受付の人に尋ねた。するとすぐに立派なスーツをこしらえた、恐らくここの偉い人だろう。その人に奥の部屋に案内された。

 応接室と書いてある。緊張からか声がうわづりながらもちゃんと受け答えをし、出来るだけ丁寧な言葉を選びながらなんとか面接を無事に終わらせることが出来た。

 結果は後程電話で伝えるとのことだった。


 出来ることならもう二度とこんな思いは味わいたくない。

そう思った。

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