君のために出来ること

第18話ペア

　今日の俺の予定は買い物に行くと決めていた。初めて美奈子にプレゼントを買うために。

別になにかの記念日というわけではないのだが明日はホワイトデー。それにこんな俺と付き合ってくれた俺のほんの気持ちもある。初めはお菓子でも作って渡そうかとも思ったが俺はお菓子作りなどやったことがない。どうせ失敗するだけなのは目に見えているので却下し、なにかプレゼントしようかと思ったので俺は今日品定めに行こうと思う。

　買うものはすでに決めている。ペアリングだ。付き合って間もないがやはりペアのものが欲しい。そしてアクセサリー系が良い。だからペアリングを買おうと思う。

　指のサイズはあらかじめ別ルートで聞いているので本人にはばれていない。完全に計画犯だ。

　俺自身が欲しいということは内密にして。

　町に着いた。俺もいままで彼女がいたことがなかったわけでも無いので一度くらいはアクセサリーを買ったことがある。だから以前行ったことのあるショップに出向いた。

　この店はあまりにも高額な品がそろっている店というわけでもなくて、どちらかというとリーズナブルでカップル用のペアリングやネックレスを販売している店だ。

　美奈子がいったいどういうデザインが好きか聞いておけば間違いないのだが、できれば一発で喜ばせたいし、その顔を目に焼き付けておきたい。実際自分のセンスがそこまで良いと思ったことはない。だけどこれは気持ちの問題だ。俺は自分に言い聞かせるようにそう思った。

　店に並んだアクセサリーはシンプルなものもあればデザインに凝ったものなど様々で、とりあえず俺は店内を一周した。

　なるべく強調しないシンプルの方がファッションにも合うのでただのまっさらなリングだけど普通のより少し太めのペアリングにすることに決めた。

　金額は二つで一万くらいと無難な金額でおさめた。美奈子の反応が気になる。