第8話準備Ⅰ

俺は美奈子さんに連絡した。

「次いつ予定空いてる?」

するとすぐに返事が返ってきた。

「今週末なら空いてるよ。土曜日が都合いいかな。」

「なら土曜日予定開けておいてもらえる?一緒にごはんでも食べよ。」

「OK!土曜日ね。詳しいことは後で決めようね。」

いとも簡単に次会う日程が決まった。前回は美奈子さんが場所を作ってくれたから今度は俺が場所を決めよう。

 でも俺にはあんな素敵なレストランを超えるような場所は知らない。だから美奈子さんのためにそのレストランを超えられなくても素敵な思い出になるような場所を探そう。

 俺はそう思いインターネットでレストランを探すことにした。


今のご時世、なんでも検索したら見つかる便利な世の中になったものだ。口コミやレビュー、評価などを見てもその上位に上がるのはどれもお洒落な内装、素敵な料理。見ているだけで幸せな気持ちになる。美奈子さんと行ったら、より幸せなんだろうなぁ。

俺の恋心は完全に火がついてる。どうしても口説き落とすにはやっぱ夜景の見えるレストランだろうか。それとも高級な料理だろうか。いろいろ考えているうちに気が付けば夕方になっていた。


俺は身支度をして家を出た。

考えてもわからない。だから実際に行って確かめることにした。とりあえず三つの店にまでは絞った。そこを今から全部回ってみようと思う。

 まずは一件目。見た目は洋館で中に入るとちょっとうす暗い。明かりはところどころに間接照明があるくらいでほとんどはランタンの火だけでライトアップされた内装だった。料理の種類はそんなに種類は無かったがどれも写真つきでおいしそうだった。

 俺は店員にここのオススメを聞いて、それを注文した。

しばらく待つとその料理が現れた。写真よりもやはり美味しそうだった。ここの店はハンバーグが人気みたいで、その中でも黒トリュフのチーズハンバーグがおススメだった。とても香り深くしつこくないチーズと相性抜群だった。俺はそれを食べ終えて二件目の次元へ移動した。

 二件目はいかにも高級ホテルのようなレストランだった。天井からはシャンデリア…だと思うがいまいち本物を見たことがないからわからない。

一件目とは違いとても中が明るく広々としていた。一件目と同様店員にオススメを聞いてそれを注文した。俺が一人でいることが恥ずかしいくらい素敵なレストランだ。

料理が届いた。ここのオススメはオマール海老のロースト風というメニューで豪快にオマールエビ一匹が頭から尾までキレイに半分に切られてグリルで焼かれたものだ。オマール海老というだけでも高級感がある。身もぷりぷりで何とも言えないオリジナルのソースがよりオマール海老を際立たせる味わいに俺は感動して次の次元へ移動した。

 三件目に到着したのは良かったが、どうやらこのお店は一見さんお断りだったらしく誰かのツテがないと入れないお店らしい。俺の情報不足だった。

今回はこのどちらかに絞ることにした。でも彼女の要望とかもあるかもしれないので軽く今度聞いてみることにした。

さて、今日の晩飯はいいものばかり食べたが現在おなかは空腹状態。あんな料理の後だがチェーン店の牛丼屋に寄ってから帰ることにした。

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