第5話 幼女先生と学ぶ自己紹介術 その2

※スマホの場合は画面を横にしてお楽しみください※


〇晴彦の部屋

   幼女先生、ホワイトボードに

   「じこしょうかい その2」と書く。

幼女「前回に続いて、自己紹介について勉強していきたいと思う」

晴彦「はいっ」

幼女「おお、良い返事じゃ! よしよし、成果が出てきたのぉ」

晴彦「(にやりと笑って)いやぁ、そんなことないですよぉ」

幼女「(ハリセンをランドセルから出して)笑顔がキモイんじゃ!」

   幼女先生、晴彦の頬をハリセンで叩く。

晴彦「(メガネをとばして)ありがとうございますっ!」

   ×   ×   ×

   幼女先生、ためいきを一つする。

幼女「それで…前回わしが言った内容を覚えておるかの?」

晴彦「いえ、まったく」

幼女「(深いためいき)仕方ないのぉ…もう一度言うから、よく聞くんじゃぞ」

   幼女先生、目をぱちぱちし輝かせ、頬を赤らめる。

幼女「はい!カクヨム大学教育学部3年の幼女です。大学では2つ頑張ってきまし

 た。一つは研究です。アフォーダンスについて研究しています。もう一つは、サー

 クル活動です。アニメ研究会に所属し、毎週10本以上の品評を行っています。よ

 ろしくお願いします!」

   幼女先生、死んだ魚の目に戻る。

幼女「自己紹介で重要なのは…”手短に話のネタを仕込んでおく”ことじゃ!」

晴彦「…といいますと?」

幼女「自己紹介でタラタラ演説されても困るじゃろ?」

晴彦「う~ん」

   幼女先生、腕を組んで晴彦を見つめる。

幼女「例えば、初対面の時に一方的に話すヤツはどう思う?」

晴彦「…うざいっす」

幼女「じゃろ? でも、何も話さないヤツも…?」

晴彦「ちょっと…きついかも」

幼女「そう! じゃから、手短に話して次の会話に繋げていくことが求められるとワシは考えておる」

    幼女先生、ホワイトボードを3回たたく。

幼女「よいか! 面接は演説ではなくて、会話のキャッチボールをする場じゃ!」

晴彦「(無言でうなずく)」

幼女「一方的に話すのではなく、会話のボールを投げてあげるのじゃ。わしが話した内容で、おぬしはどう質問する?」

晴彦「う~ん、あ!アフォーダンスって何ですか、とか、10本もアニメ見れるの?、とか、アニメでおススメとかあります? みたいな質問がすぐ思い浮かぶ!」

    幼女先生、満足気に頷く。

幼女「短く言うことで、キーワードが頭に残り、質問しやすくなる。それで、相手がそのキーワードを使って質問すれば、会話のキャッチボールを簡単に行えるのじゃ!」

    晴彦、拍手。

幼女「しかも…この戦法は一つ…素晴らしいメリットがあるのじゃ!」

晴彦「-ッ!?」

幼女「自分でキーワードを仕込んでおくと…対応がしやすいのじゃ!」

    晴彦、雷に打たれたような表情をする。

幼女「先におぬしが言った、”アフォーダンス”や”アニメの本数、おすすめ”などは、あらかじめ、模範解答を用意できるじゃろ? そうすれば本番にあわてて話すこともなくなり、余裕を持つことができるというわけじゃ」

晴彦「…さすが幼女老師(中国語っぽい発音で)」

幼女「さて、今回は少々話しすぎたのお…次回は自己紹介についてまとめていきたいと思う。今回の内容はワシの話ばかりだったから、もう少し一般化して話せればよいのお」

晴彦「…というか、先生…キャラぶれてません? 第一回とか、全部ひらがなでしたけど?」

幼女「(可愛い声で)キャラ付け♡」

晴彦「(胸を押さえて)…きゅん」


つづく

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る