第4話 幼女先生と学ぶ自己紹介術 その1
※スマホの場合は画面を横にしてお楽しみください※
〇カドカワカンパニー面接会場
椅子に座る晴彦。
面接官「では早速、面接を行いたいと思います。よろしくお願いします」
晴彦「よ、よろしくお願いします」
面接官、手元の履歴書をチラッと見る。
面接官「まず自己紹介をお願いします」
晴彦、姿勢を正す。
晴彦「カクヨム大学文学部3年、影田晴彦です。大学では文学部の勉強とアニメ研究会でサークル活動をしていて、文学部では主に太宰や芥川など明治期の文学に興味があって入って、意外とおもしろいなって思って、あ、そういえばアニメ研究会に入ったきっかけはハルヒとからき☆すたとかが好きで…えっとそんな感じです」
面接官「は、ははは(苦笑い)」
晴彦「ふんす(満足気に鼻息を出す)」
〇晴彦の部屋
幼女「そりゃあ、落ちるわな」
晴彦、ベッドのうえでうずくまっている。
幼女先生、晴彦の尻を蹴る。
晴彦「う…うう…」
幼女「これだと、何を言っているのかさっぱり分からんじゃろ??」
幼女先生、晴彦の尻をはたく。
ぴしゃりといい音。
晴彦「(飛び上がって)ありがとうございます!」
× × ×
幼女先生、ランドセルからホワイトボードを取り出す。
よたよたと『じこしょうかいのしかた』と書く。
幼女「とりあえず今回から、自己紹介の仕方について話していこうと思っておる」
晴彦(尊い…)
幼女「(晴彦をにらみつけて)よいかの?」
晴彦「は、はい!」
幼女「今日覚えてほしいのは…う~んそうじゃなあ…文章の長さについてかのう」
幼女先生、マジックの蓋を付けたりとったりする。
幼女「先のおぬしの会話を思い出してもらいたいのじゃが…”~て”とか”~で”という
言い方が多いじゃろ?」
晴彦「た、たしかに…」
幼女「これだと、相手はのう…何を言っていたか覚えられないじゃろうが!」
晴彦「う、うう」
幼女「それに、相手は手元におぬしの履歴書(大抵ES)を持っておる。つまり”相
手がメモする”ということも考えなければならぬ」
晴彦「(目を見開いて)ハッ!」
幼女「だから、一文、一文を短くして、相手を思いやるべきなのじゃ…う~んワシだったらこうするなあ」
回想開始
〇草原
緑豊かな草原の真ん中に椅子が二つある。
一つには面接官、もう一つには幼女先生が座っている。
周りにはシマウマさんやヤギさんが草を食べている。
ちょうちょが優雅に羽ばたいている。
面接官「自己紹介をお願いします」
幼女「はい!カクヨム大学教育学部3年の幼女です。大学では2つ頑張ってきまし
た。一つは研究です。アフォーダンスについて研究しています。もう一つは、サー
クル活動です。アニメ研究会に所属し、毎週10本以上の品評を行っています。よ
ろしくお願いします!」
太陽が輝き、幼女先生の顔を輝かせる。
回想終了
〇晴彦の部屋
晴彦、口を開けている。
幼女「どうじゃ?」
晴彦「ぜ、ぜんぜん違うんですけどぉ!」
幼女「ふん、当たり前じゃ!」
晴彦「てか、なんか、本当に違うんですけど!」
幼女「まあ、かなり変えたからのう…次回以降でもう少し詳しく見ていくから安心
せい」
幼女、大きなあくびをする。
幼女「今回、覚えてもらいたいのは、一つだけじゃ! 一文を短く!」
幼女、人差し指を晴彦に示す。
幼女「長い文章は、聞いている側も苦痛じゃが…話している側も苦痛じゃ!」
晴彦「た、たしかに…自分でも何を言っているか分からなくって…それで早く切り
上げないとって焦って、空中分解して…」
幼女「(白い目)」
晴彦「はっ! え~と、自分でも何を言っているか分からなくなります。早く切り上
げないとって思ってしまうからです。気づいたときには…文章が空中分解していま
す」
幼女「(頷いて)では、次回からわしの話した自己紹介について詳しく見ていきた
いと思う」
晴彦「はい!」
幼女「よい返事じゃ。では、次からもっと面接力を上げていくかの?」
つづく
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