第2話 幼女先生と学ぶ振舞い術 その1

※スマホの場合は画面を横にしてお楽しみください※


〇カドカワカンパニー面接控室

   スーツ姿の晴彦が椅子に座って待機している。

   緊張している晴彦。顔は青い。汗が流れだしている。

   晴彦、その汗を拭い、スーツの裾で拭く。


〇晴彦の部屋

幼女「うおい!」

晴彦「ひっ! これ、今日の面接の映像じゃ…」

幼女「はい、すっとぷじゃ!」

晴彦「え?すっとぷ?」

幼女「す、ストップじゃ!」

   顔を赤くして、両手をわちゃわちゃと振る幼女先生。

   目を細めて、晴彦、幼女先生を見つめる。

晴彦(尊い…)

幼女「キモイめでみるな、ぶた!」

   幼女先生、思い切り晴彦くんの頬をぶつ。

晴彦「ありがとうございます!」

   ×   ×   ×

幼女「で、じゃ…、ぶたは…なんで、すーつのすそで、てをふくのじゃ?」

晴彦「い、いや…だって…手汗がひどいから…」

幼女「あのなあ…ぶた…。すーつのすそでふくじゃろ?」

晴彦「う、うん…」

幼女「てかてかと、ブタエキスが、ひかるわけじゃ」

晴彦「うっ」

幼女「それをめんせつかんが、みてこうおもう…うわ、きたな…と」

   晴彦、思い切り立ち上がって叫ぶ!

晴彦「そんな細かいとこまで面接官は見な―」

幼女「あ、ほ、か?」

晴彦「ぶひぃ!」

   ×   ×   ×

   幼女先生、晴彦のもってきたリンゴジュース(紙パック)をちゅーと吸う。

幼女「あのなあ…もっというと…ブタのきたないメガネもみられているぞよ?」

晴彦「へ!?」

   晴彦、眼鏡を脱いでレンズを確認する。

   白い油が浮いていて、とてもきちゃない。

晴彦「そ、そんなあ」

幼女「あとは…そうじゃな…かならず、くつもみられている」

晴彦「ぶひ!」

幼女「できるおとこは、あしもとからなのじゃが…できないぶたは…ぜんぶダメダメじゃ」

   幼女先生、リンゴジュースを飲み干し、晴彦に投げつける。

幼女「じゃから、まずめんせつにいくまえのもんだいじゃったな」

   空きパックが晴彦の顔面に直撃。

晴彦「ぐはっ」

   ×   ×   ×

幼女「むこうのきぎょうからしたらなあ、ひとをやとうっていうのは、おおきなかいものなのじゃ。

うンおくえんというおかねがかかっている…そんなめんせつで、うすきたないブタをほしいとおもうかえ?」

晴彦「…思うはずがありません」

幼女「うむ、そのとおりじゃ。ひとはみためが9わり。だから、はなすまえから、げんてんをもらわないよう、ちゅういしないといけないのじゃ!」

晴彦「ぶひ…」

幼女「よいか?とりあえず、めんせつにいくまえに、スーツをきれいにする!そしてメガネはしっかりふく!さいごに、くつをきれいにみがいておく!よいか?わかったな?というか、たおるくらいよういしろ、ぼけなす!」

晴彦「ぶひい!」

幼女「がめんのまえの、ぶたたちもわかったな!」

   幼女先生、耳に手をあて、目をつぶり、何度か頷く。

幼女「よろしい!では、つぎにじっさいのめんせつでのふるまいかたをおしえてやろう!」

   晴彦、泣きながら、メモ用紙を用意する。

ブタ「コンタクトにしよ…」

                                  つづく


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