幼女先生と学ぶ「就活面接」術

鎌田玄

第1話 幼女先生と学ぶ面接術

※スマホの場合は画面を横にしてお楽しみください※


〇晴彦の部屋

   『お祈り申し上げます』

   スマホの画面には、通称お祈りメールと呼ばれる文章が映っている。

晴彦「ぐお~なぜだぁ!どうして、俺のことを分かってくれないんだ!」

   晴彦、ベッドでゴロゴロとのたうち回っている。

晴彦「くそっ、あの面接官が悪いに違いない!」

   晴彦、Twitterを開いて、悪口を書こうとする。

晴彦「あいつ…絶対に許さないからなあ…こんな優秀な俺を落とすなんて!」

   と、その時。

   ひゅんっと風を切る音が、晴彦の目の前で鳴る。

晴彦「ひっ」

   晴彦、体をエビのように沿って避ける。

晴彦「あ、あれ…俺のスマホ…!」

   晴彦の持っていた、銀河最強のリンゴ製スマホがなくなっている。

   晴彦、まわりを見回す。

幼女「ふっふっふ…おぬしのさがしている、すまほは…ここじゃ!」

   四畳半の狭い部屋、その入り口に幼女先生がデーンと仁王立ちしている。

晴彦「よ、幼女先生!」

   幼女先生、赤い大きなランドセルを可愛らしく背負っている。

幼女「はるひこくん、まためんせつにおちたみたいじゃな?」

晴彦「うう…」

幼女「そろそろ、じぶんのむのうをみとめたらどうなんじゃ?」

晴彦「い、いや、面接官が悪いんだ!あいつらが俺の本当の才能を見抜けない無能 なんだ!」

   晴彦、顔をブルブルと震わせ叫ぶ。

   それを白い目で、幼女先生が見つめる。

幼女「はあ…これだから、豚は…いちじめんせつすらすすめないんだ…」

   幼女先生、一つ溜息をつく。

晴彦「ちょ、今、豚って言った?豚って言ったよね!」

   幼女先生、晴彦にスマホを投げつける。

   あわてて、スマホをキャッチする晴彦。

幼女「ちかたない…どんなめんせつをしたのか…みてやろう」

   幼女先生、ランドセルから大きなタブレットを取り出す。

ブタ「ちょ、幼女先生、どうやって見るの!?」

幼女「ふっふ…ようじょにふかのうはないのじゃ!」

『今、ここに、幼女式面接講座が始まる。』

幼女「このぶたやろうを、いちからきたえてやろう!」

                                  つづく

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