体育祭2



「見鶴くん頑張ってぇ!!皆で応援してるね!」

「柊、転んだら許さない、、、。あ、権太は、バトン爆発させないでね!」

「フラグ立てんなよ!?!?」

「が、頑張ってみるよ!」


女子に囲まれる、チャラ男と権太。女子の殆どはチャラ男を応援するけど、菜都だけはプレッシャーをかける。兄妹みたいだなんて言ったら怒られるだろうか…。

自分の席に座りながら、集団の方を眺める。


「葉宮さんからは,なんかないの?」

急にチャラ男、、、いや、柊が私の方に体を向け聞いてくる。


「まぁ、吹き飛ばされない様に頑張って。」

「二人してなんで、フラグ立てるんだよ!!」


怪我は気をつけてって意味だったんだけど、、、まぁいいか。権太の爆発の威力はそこそこ強いからね。タイミングが悪いと本当に吹き飛ばされる。


、、、本当に大丈夫かチャラ男。




***



「圧倒的な差をつけて、2組 現在一位!!!これは、一位確定か!?!?」

速い、、、これなら!私たちは、2組。そこから6から7m離れて、3組と1組が接戦中。足が速い人がこの競技にかたよったからか?

日差しにも負けず走る代表に、応援席に座る皆も大声で応援する。

隣にいる菜都は、大声で応援する。


「頑張れ!!権太ぁ! もう少しで柊と交代だよ!!」

「ファイト、もう少し!」


応援した声が聞こえたのか、権太はラストスパートをかける。元々、そんなに速くはない権太だけれど、前にいた人がスタートダッシュを成功させた為、余裕を持って走れる様になっていた。


権太だってバトンを爆発させていない。今日はついているのかも。




**見鶴side**


「柊くん!!」


背後から走ってくる権太はバトンを持つ方の腕を伸ばし、俺はすぐ走れる様に構えた。ここまでは順調、、、というより順調すぎて怖い。


競技が始まる前に、二人が言っていたことを思い出す。

、、、もし今ここで爆発したら。


そう思った時だった。大きな破裂音が響いて、俺はほんの一瞬だが宙に浮いた感覚があった。着地した方の腕や背中は、じんじんと痛む。


「大丈夫!?柊くん!!」



***


「柊!!うっわぁ、痛そう。結構な勢いだったよね。」

「そうだね、、」


権太が、柊にバトンを渡したその瞬間、権太の能力が発動した。

そして今回の爆発は威力が強めだったため、軽く吹き飛ばされていたが、、、大丈夫だろうか…。吹き飛ばされた本人は、すぐに立ち上がっていたから、大丈夫なのだと思うけど、、、心配だ。


「柊くん大丈夫かな、、。」

「爆発のタイミング悪いよねぇ!絶対わざとっぽいんだけどぉ。」

「いやいやいや、針子くんがそんなこと出来るわけなくなぁい?」

クラスの中心的女子たちは、言った。

他にも色々と権太について言っていた。菜都は、その子達に「権太が、そんなことするわけないじゃん。」と、冷たい声で言い放っていた。

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