ボランティア系男子大学生のESを添削してみた after1
社会で働くことは、未来がより良いものとなるため、時代や環境に合わせた価値を提供し貢献するということです。時代や環境によって求められる商品やサービスは変わってくるので、求められているものを主体的に考えて、未来につながる働きをしていきたいです。
また、様々な人との関りを深めていき、何か問題が起きた時に協力して解決していくことやお互いを助け合える雰囲気づくりを意識していきたいと思います。
では、次にafter編に行きたいと思います。序盤編です。
まず少し気になるのが、一文目にある「~ということです」と言い切っているところです。
この文を読むと、私は
「本当にそうだろうか?」と思ってしまいます。
なぜでしょうか。
おそらく、自分の考えていることが、社会すべてに当てはまっていると考えている感じが、文章から漂ってくるから…。
例えば、
サッカー部の人に対して、帰宅部の人が、
「やっぱりサッカーの基本はドリブルとパス練習だよなあ」
と言い切ると、サッカー部の人はイラッと来るかもしれません。
それと同じように、
書き手が100%知らないことに対して、言い切って書いてしまうと、
読み手の鼻につく可能性があります。
この文章では、
社会で働くことは、未来がより良いものとなるため、時代や環境に合わせた価値を提供し貢献するということです。
と書いてありますが、
書き手は(学生なので)20代前半。
読み手は(社会人でも若手ではないので)30代~。
さあ、10歳以上離れた若造(そう思う人はゼロではないと思います)が、
社会とはこういうものだ、と言い切ったら、どう思うでしょうか?
せっかくその企業に興味があって面接に行きたいと思っているのに、
向こうは、「こんな生意気なやつ、いらない!」なんて思ってしまう…。
それは、むちゃくちゃもったいないと思います。
ですので、下手に言い切りの形で書いて不評を買うよりも、
”~と私は考えます”と、自分のところにもっていくと
文章が柔らかくなります。
上の文章で書くと、
社会で働くことは、未来がより良いものとなるため、時代や環境に合わせた価値を提供し貢献することだと、私は考えています。
このように表現すると、一気に文章の雰囲気が柔らかくなります。
言い切りの形は、印象が強いので、使い所を間違えると、
知らないところで一気に評価が落ちてしまいます。(ですから注意が必要です!)
もう一つ、不親切なところがこの文章にはあります。
それは、「また」のところです。
なぜでしょうか?
最初(序盤編の時です)に書いたように、
読み手はとても忙しい人、という仮定のもと
ESを書いた方がいいと私は考えています。
もっというと、自分の(丹精込めて書いた)ESを、読み手は少しも興味を持っていないという仮定のもと書いたほうがいいと考えています。
さあ、読み手はこの序盤を読んでどう思うでしょうか?
なになに、社会で働くことは…そう考えているのね。
あれ、「また」で、追加の内容が来たぞ…。
つまり二つ言いたいのかなあ…。
と、読み手に余計な手間を取らせてしまっています。
これでは、(当初の目標である)ESの内容に注意を引けず、ESの構成に注意が行ってしまいます。
ただ、読み手が読んでくれているので、まだ良い方。
最悪の場合は、
「なんだ、構成すらできていないじゃないか。読みにくい。飛ばそ。」
みたいなことも十分に考えられます。
ですので、二つの項目について書くならば、
私は2つ考えました。や、私には2つの思いがあります。
などの文章で先に整理したほうが、
読み手にとって丁寧な構成となります。
では、上の文章ではどうなるか。
社会で働くこと、私には2つの想いがあります。
「つくること」と「つなげること」です。
「つくること」は、未来をより良くするために、時代や環境に合わせた価値を「つくる」こと。
「つなげること」は、様々な人と関わり協力して、関係を「つなぎ」、問題を解決すること。
このような感じで文章を圧縮し、書き始めたいなあと(私は)思います。
そしてこの序盤で読み手の興味を惹き、中盤でこの「想い」に至った経緯について書いていきます。
時代に合わせた価値をつくろうと思ったきっかけは?
人と協力する大切さを実感したことは?
といったツッコミを自分で入れて、その内容を埋めていくと、文章に”書き手の人物像”がにじみ出てくるのではないでしょうか。
今回は、かなり変えてしまいました。
おそらく大抵の人は、長い文章が嫌いだと思うので、
できるだけ短い文にするように心がけています。
どうでしょう?修正前と修正後で、どちらが興味を惹くでしょうか?
ただ、あくまで私だったらこう書くなあ、というだけですので、
参考程度にお願いします。
次は中盤編です。
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