ES対策 中盤編

次に、文章の中心になる中盤編です。


一つ目の文章から見ていきたいと思います。


朝早くから呼び出すことに抵抗はありましたが、自分の本気の度合いを理解してもらうため朝早くから行いました。内容は体育会の一員であることを自覚すべきであること。行動の一挙手一投足が他人に見られていることを意識すべきであること。行動と発言には一貫性をもつべきであること。以上三点を簡潔に述べました。その後、後輩たちは見違えるように積極的に稽古に参加するようになりました。また自らが人から見られていることを意識するようになり、二回生の一回生に対する発言が重みを増すようになりました。


中盤というか、文章を書く際に一番気を付けなければいけないことは、

「曖昧な言葉」を書かないようにすることだと考えています。


例えば、上の文章から抜いてみると、

『自分の本気の度合い』

…本気の度合いってなんだよ? どのくらい本気なんだよ?

『一挙手一投足』

…もっとシンプルにいうとなんなんだよ?

『行動と発言には一貫性を持つべき』

…具体的にいうとどういうこと?

『見違えるように積極的に』

…どのくらい来るようになったのかわからん!

『発言が重みを増すように』

…は?どういうこと?


と、まあ、ひどいです。

なぜ、「曖昧な言葉」を避けたいのか。

それは、別に自分じゃなくても書けてしまうからです。


そして、ESでは、あなたがどのような人物なのかを問われています。


あなたを聞かれているのにも関わらず、

あなた以外の人でも書ける文章を提出するのは、もったいない。


ただ、曖昧ワードを自分で探すのは予想以上に難しいです。

何せ、難産の末に産んだ、可愛い文章たち。

可愛くて、可愛くて、自分じゃ冷静に見ることなんて…とても、とても…。


ですので、5人くらいの友達に読んでもらって、

文章を突っ込んでもらうといいと思います。

かなり辛いと思いますが、きっと、良い結果となって帰ってくるのでは?


次に、この文章は読み手に対して、雑な構成になっています。

この文章の基本構造は…


朝早く説教したよ!

自覚してよ!

他人の目を意識してよ!

言葉に責任持ってよ!

見違えるほど変わったよ!


という流れになっています。


書き手の頭のなかではしっかり流れているのでしょうが、

この文章を初めて読む人にとっては、


「なんじゃこりゃあ」


と思うほどに飛んでいます。


なぜでしょうか?

文と文の間にクッションがないからです。


例えば、

説教したよ!と自覚してよ!の間に

なぜ「3つに絞って、話をしました」と入れないのか。

先に書くことで、読み手はその後の展開を予想できます。


説教したよ!

3つに絞って話したよ!

1つめ、自覚してよ!

2つめ、意識してよ!

3つめ、責任持ってよ!


という流れのほうが、読み手にとって展開を掴みやすいです。


以上のことに注目して、二つ目の文章を読んでみてください。


発端は一年生の多すぎる欠席に業を煮やした二年生の反発からだった。「一年生退部しろ」運動が発生したのだ。そのような二年生に対し、今度は同期三年生が不満を抱く。一年VS二年VS三年の構図が生じた。解決に必要なのは組織の構造を変えることだった。今まで運営は三年生が独占し、そのため後輩は無知だった。部費や将来の運営の問題を考えると退部させることは難しい。部の見えない問題も全員で共有し運営していく組織に変えるため、週一で全学年会議を開き、方針の決定について合議制を採用した。その会議の場では、各学年の思いもぶつかり、私たち三年生の監督不足や二年生の態度の悪さについても各自反省することになる。


この文章の構成は、とってもシンプルです。

原因(一年生の欠席)

問題(部の分裂)

解決のカギ(運営方法)

結果


という流れになっています。

また、できるだけ曖昧な言葉も排除しています。

(『思いもぶつかり』、『監督不足』、『態度の悪さ』といった言葉もできれば変えたかったのですが、文字数制限に引っかかってしまい、やむなく…)


読み手側が分かりやすい展開として、この『原因→結果』系はおススメです。

この書き方は、書く側も書きやすいので。


書くときは、

原因・問題・解決のカギ・結果

と項目を分けて箇条書きにし、最後に文章にしていくことで、楽になります。



と、二つ目の文章を読んでみて分かるように、

人間はストーリー調の方が、読みやすく感じます。


一つ目の文章は、ただ事実の羅列にすぎません。

言ってしまえば、自己満足文章です。


完成した文章を、まず自分で読み、次に友達に読んでもらい、

「面白い」と言ってもらえるか?


ESは自分のことに興味を持ってもらうためのツールでもあると、

考えているので、

「面白い」と言ってもらえる文章を目指すのもアリだと思います。

(面白いといっても、funnyではなくinterestingでオナシャス)

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