ここまでの登場人物
メロディ・ウェーブ 15歳
メイドジャンキーの日本人転生者。
愛でるのではなく、メイドをすることに喜びを感じるメイドジャンキー。
只今ルトルバーグ伯爵家のメイドとして邁進中。前世の卓越したメイド技術と今世の常軌を逸した魔法技術により最早メイドの枠を超えた超人と化しているが本人は無自覚。いたって真面目。
実は伯爵家の庶子なのだが、身分がメイドの夢の障害と判断して父親の捜索の手を逃れている。
乙女ゲーム『銀の聖女と五つの誓い』の世界のヒロインでもあるのだが、メイドジャンキーというバグ要素のため、只今ヒロイン業務はお休み中。
というか、本人がこの乙女ゲームを知らない。
詐欺師のように複数の名前を使い分ける面倒くさい子だったりする。
前世名『瑞波律子』 今世名『セレスティ・マクマーデン(本名)』
偽名『メロディ・ウェーヴ』メイドになるため父親の捜索を逃れる目的で作った名前。
ゲーム名『セシリア・レギンバース(後に父親が命名)』まだ命名されていないため未使用。
ルシアナ・ルトルバーグ 15歳
メロディが勤めるルトルバーグ伯爵家の令嬢。メロディをメイドとして採用した。
明るくさっぱりした性格で、『貧乏貴族』ルトルバーグ家で育ったためか家事労働に抵抗感がない。
実は王立学園入学の時期からさらなる転落人生を歩む予定だったのだが、メロディという規格外のメイドを雇ったことで人生が一変している。
乙女ゲーム世界でも登場するキャラなのだが、詳しいことは本編でもまだ告げていないので割愛。
国王主催の春の舞踏会にて『妖精姫』の異名を取ることとなった。
アンネマリー・ヴィクティリウム 15歳
王太子クリストファーの婚約者候補筆頭。元日本人『朝倉杏奈』の転生者。
乙女ゲーム『銀の聖女と五つの誓い』をやり込んだ乙女ゲージャンキー。
ゲーム開始時期に合わせていろいろと準備していたが、ヒロインがメイドジャンキーとまでは気が付かず、ゲームが開始された現時点でもいまだにヒロインを発見できていない。
普段は深窓の令嬢然とした奥ゆかしさを見せるが、実際はかなり勝気で短気。同じ転生者のクリストファーでストレス発散をしている。
ちなみにゲームでの彼女は『悪役令嬢』である。
好みは細マッチョ以上。美少女フェチの気がある。
令嬢教育の賜物で、感情を隠す技能が凄い。
舞踏会ではそのボンキュボンなプロポーションも相まって『傾国の美姫』に異名を持つ。
クリストファー・フォン・テオラス 15歳
テオラス王国の王太子。元日本人『栗田秀樹』の転生者。
妹と杏奈が乙女ゲージャンキーだったため、この世界についてはある程度理解している。
教育のおかげか、王太子としては完璧で内心では典型的なおバカ高校生のような思考をしていてもそれを顔や言葉に出すことはない。隣でアンネマリーの眼も光っているので。
ヒロインとの第一遭遇者としてヒロインを待ち構えるも失敗。ゲームが開始されたというのに未だにヒロインと出会えていない。ゲームでの彼は『筆頭攻略対象者』である。
実は遭遇は果たされているのだが、メイド姿のメロディを見てヒロインだと気が付かなかった。
マクスウェル・リクレントス 16歳
宰相ジオラック・リクレントス侯爵の長子。次代の宰相は彼だと言われている。
王太子クリストファー、侯爵令嬢アンネマリーとは幼馴染で、二人は恋仲だと思い込んでいる。
美しい容姿、優れた能力、次期侯爵の地位を持つが故に言い寄る女性に辟易し、なかば女性嫌いの気があった(表面上はおくびにも出さない)が、自分を色眼鏡で見ないメロディとルシアナに対しては少なからず好意を持っている。
好意レベルは ルシアナ>メロディ。見た目が好みらしい。
ゲームでは『第二攻略対象者』。
舞踏会の場で父親の部下であるレギンバース伯爵に紹介されて出会うのだが、メロディが王都に向かう途中の馬車で既に出会いを果たしている。
もちろん伯爵令嬢だとは知らないうえで。
温和に見えるが、次期宰相に相応しい冷淡さと決断力を併せ持つ。
レクティアス・フロード 21歳
宰相補佐クラウド・レギンバース伯爵の護衛兼補佐。一代限りの騎士爵位を持つ。
元々メロディ捜索の任をクラウドより与えられていたが、メロディの隣国へ行くという嘘により、隣国経験のない彼は捜索隊を外され今の職務につくことに。
ゲームでは『第三攻略対象者』。
本来なら彼がメロディを発見し伯爵家に送り届けるはずであった。
王都にてメロディと友人になり、春の舞踏会へ出席する。その際、メロディが変装するために髪と目の色を変える魔法を見て、何か引っかかるところがあるようだ。
ちなみに、彼は風呂場でうっかりメロディのマッパを覗いてしまったことがあるが、メロディの電撃魔法のショックによって全て忘却の彼方へと消え去ってしまっている……可哀想に。
ポーラ
レクトの屋敷で働くオールワークスメイド。メロディのメイド友達。
元々商家出身なのだが、実家が潰れてしまい今はメイドとして生計を立てている。いつか実家を再興させるのが彼女の目標である。
快活で度胸があり、何事にも物怖じしない男勝りな性格。主であるレクトにも最低限の敬語しか使わない豪胆ぶり。
ただし状況に合わせて丁寧に話すこともできる器用な面もある。元商家だし。
実家は主に女性向けの日用雑貨を中心に取り扱っていたため、化粧品やその他アクセサリーなどの扱いが得意。可愛いものを見るよりも可愛く仕立て上げたくなるファッションジャンキー……というのは、さすがに語弊があるかもしれない。
舞踏会に赴くメロディを人間から天使にクラスチェンジさせた張本人。
レクトがメロディに惹かれていることにも当然気が付いている。
レクトをヘタレ認定している。
クラウド・レギンバース伯爵 33歳
メロディの実父にしてテオラス王国宰相補佐。レギンバース伯爵家の当主でもある。
当時伯爵家に努めていたメイドのセレナと恋仲になるが、父親による妨害で離れ離れに。
爵位を継ぎ、ようやくセレナの所在をつきとめるものの死亡していたことを知り一時抜け殻になるところだったが、娘の存在を知り辛うじて理性を保っている。
舞踏会にて娘であるメロディとのまさかの出会いを果たすが、変装しているメロディを娘だと認識することができず、またメロディ自身も彼を父親だと気が付かなかったため出会いはスルーされた。
セレナ・マクマーデン
メロディの実母。かつてレギンバース伯爵家で働いていたメイド。
伯爵家の跡取り息子であるクラウドと恋仲になったが当時の伯爵に追い出され、その後にメロディを身籠っていたことを知る。
王国西方、アバレントン辺境伯領でメロディとともに静かに暮らしていたが、流行り病のせいで帰らぬ人となった。
メロディに遺書を残し、彼女に改めてメイドを目指すきっかけを作った。
ヒューズ・ルトルバーグ伯爵
ルトルバーグ伯爵家現当主にしてルシアナの実父。
没落した伯爵領を倹約でもって立て直しつつある。
その技量を認められ、はれて王都の宰相府への任官を果たす。
メロディの実父クラウド・レギンバース宰相補佐は直属上司。
ルトルバーグ家の王都邸がとても住めたものではない幽霊屋敷であることを確かめずに、ルシアナ一人を王都へ送ったうっかり親父。
実はこれはルシアナ転落人生のきっかけのひとつだったのだが、メロディの出現によって回避されたため、彼が今後受けるはずだった苦難の多くが回避される形となった。
彼が今後受けねばならないのは娘からのハリセンツッコミくらいであろう。
夫妻仲は今でも熱々で、メロディは毎回顔を赤くしてベッドメイクに勤しんでいる。
マリアンナ・ルトルバーグ伯爵夫人
ヒューズの妻にしてルシアナの実母。夫ヒューズとは幼い頃からの仲。
ルシアナ同様、家事全般への抵抗はなく、王都邸に着いたら自分も家事に勤しむつもりでいたが予想外のメロディの登場によって王都邸では貴族婦人らしい生活を送っている。
余談だが、屋敷にいる時はメロディにお願いして常に一人分身メロディをそばにつけてもらっているらしい。案外彼女が一番王都邸を満喫しているのかもしれない。
夫婦仲は大変よく、なぜルシアナしか子供がいないのか不思議なほど。基本的に夫を立てる態度をとるが、実質的には彼女がヒューズを尻に敷いている。
あと、旦那の浮気は決して許さない。見惚れただけで大目玉である。
この夫婦、視線だけで会話ができるらしい。
ジオラック・リクレントス侯爵
リクレントス侯爵家当主にしてテオラス王国の現宰相。
マクスウェルの実父。子供はマクスウェルを含めて男子3人、女2人。
実力でもって宰相の座を手に入れた傑物で、息子であるマクスウェルが次代の宰相に相応しいか常に見定めている。無駄を嫌う性格だが決して冷淡というわけでも神経質というわけでもなく、割とユーモアにとんだ話を好む。親しい部下はいじりたい衝動に駆られる。
それは無駄な行為ではないのかと言われれば「それはそれ、これはこれ」を断言するような人。
ベアトリス・リリルトクルス 15歳
リリルトクルス子爵家令嬢。ルシアナの幼馴染。
貴族令嬢ながらはきはきとした言葉遣い。
爵位授与に当たり、旧ルトルバーグ領の土地を買い取って領地と手に入れた間柄ながら、お互いに親密な関係を構築している。
ルシアナとは幼い頃からの親しい友人であり、王立学園でも同級生である。
春の舞踏会には四歳上の兄チャールズとともに参加した。
ミリアリア・ファランカルト 15歳
ファランカルト男爵家令嬢。ルシアナの幼馴染。
貴族令嬢らしいですわ口調の丁寧な言葉遣い。
爵位、領地を得た経緯はほとんどリリルトクルス家と同じで、旧ルトルバーグ領の一部を領地としている。旧ルトルバーグ領は肥沃な土地が広がっているため、リリルトクルス家も含めて両家は結構儲かっている。
彼女もまた王立学園ではルシアナと同級生である。
春の舞踏会には三歳上の従兄リーベルにエスコートされて参加した。
彼は婚約者候補である。
チャールズ・リリルトクルス
リリルトクルス子爵家次期当主。ベアトリスの兄。
妹同様気さくで明るい性格だが、次期当主としての振る舞いを忘れない好青年。
リーベル・ファルメン
ファルメン子爵家三男。ミリアリアの婚約者候補。
ミリアリアは婿養子を取るため、彼が結婚した場合ファランカルト男爵家に籍を置くことになる。今は相性を確かめている段階。
お互いが自身の気持ちをはっきりと自覚していないが、悪くは思っていないらしい。
ガーナード・フォン・テオラス
テオラス王国国王。王太子クリストファーの実父。
クリスとアンネマリーが相思相愛だと思い込んでいる可哀相なパパ様。
ちなみに王妃もそう思っている。転生者ペア危うしである。
春の舞踏会を楽しみつつも、以前メロディがヴァナルガンド大森林に侵入した件が解決していないため内心ではどうしたものかと不安な毎日を過ごしている。
スヴェン・シェイクロード
テオラス王国所属の筆頭魔法使い。メロディとの実力差はゾウとアリ以上あるかもしれないが、国内第一位の実力を持つ魔法使いである。
ヴァナルガンド大森林の出入りを確かめる索敵結界を展開しており、国王同様大森林への侵入者が見つからないことに日に日に不安を募らせている。
春の舞踏会に出席しているかどうかは、作者にも謎である。
セブレ
レクトと一緒にレギンバース伯爵からセレナ捜索の任を受けた騎士。
メロディの『隣国へ行く』という町の住人達に伝えた嘘を信じて、現在も隣国内で新たな捜索担当者達とともに居もしないメロディを探し続けている。
出番もなく、徒労に終わることが分かり切っていることから、この作品で最も不憫なキャラクターかもしれない。
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