就寝のジレンマ
「ねたー?」
「まだー」
「もうねるー?」
「ねるよー」
―――しかし二人はいつまでも眠れず、修学旅行二日目は寝不足で楽しめませんでした。どうしてこのような事態が起こってしまったのでしょうか。次の図を見てみましょう。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤB君
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ寝る 寝ない
ㅤㅤ寝る ㅤㅤㅤㅤ5/5 2/6
A君
ㅤㅤ 寝ない ㅤㅤ6/2 3/3
数字はそれぞれの場合において二人が受ける利益を表します。ではA君の気持ちになって考えてみましょう。
まず、B君がもう寝たと考えた場合。A君も寝ることで二人はハッピーハッピーですね。しかし、ここで敢えてまだ寝ないという選択肢を選ぶと、A君は眠ってしまったB君にイタズラしほうだいです。満足するまでマーカーペンで落書きすれば、眠りにつけば良いでしょう。つまりこの場合A君は寝ないという選択が賢い選択となります。
次にB君がまだ眠っていないと考えた場合。A君はとても寝ることはできません。次に目を覚ましたときに、彼の顔はおぞましいものになってしまっているでしょう。B君によって。したがってこの場合も、A君は寝ないという選択をする方が望ましいということになるでしょう。
以上より、A君は寝ないことを選択します。当然、B君も同じことを考えるでしょう。はい、寝不足二人の出来上がりです。このように、お互いが自分の利益を追求した結果全体としての不利益を招いてしまうことを「就寝のジレンマ」といいます。
先生の皆さんは、このような惨事が起こらないように、「早くねろバカもん!」と声をかけて回ることを忘れないようにしてください。あなたの一言で、彼らは救われるのです。
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