そこのけそこのけお馬が通る

 ―――昼下がりの公園のベンチ。男子高校生二人がベンチであんパンを食べながら日向ぼっこをしている。辺りには餌につれられてよってきた無数の雀たち。


「雀の子そこのけそこのけお馬が通るって歌あるじゃん」


「ああ、小林一茶だっけか」


「なんかな、こういう時にあの歌思い出してテンションあがるんだよな」


「ん?そんな歌かあれ」


「だってさ……うりゃああああ」


 一人が突然奇声を発しながら両手を広げて走り出した。当然雀の群れは驚いて逃げるように飛びだっていく。


「……はあはあ。な?お馬様がお通りだあ、退きやがれ雀ども!ってことだろ?」


 確かに馬は通った。次は鹿が通るかもしれない。





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