えぴそ~ど7 「Let's、同棲」
「ごめんなさい、ごめんなさい、フライパンで頭ぶったたこうとしてごめんなさい。あれは、
私は土下座の体勢で平兵凡介を見上げる。
「だから……
私はおでこをフローリングにこすりつけて懇願した。
「居候だと? なぜそうなる? 唐突すぎて意味が不明だ」
困惑の色を浮かべる平兵凡介。
終始ポーカーフェイスの平兵凡介だったのだけど、さすがに私のこの申し出には驚いたみたい。
私は一つ大きなため息を吐くと、そうなった経緯を話し始めた。
「私は天界ではけっこう優秀な女神だったわ。何人もの勇者を異世界に転移させては、その勇者をサポートする形で、異世界を何度も悪の手から救ってきたの。数多の異世界を救ったその仕事ぶりから、私は『
「……」
「そんな私が、よ? たった一人の転移者に
「……」
「私を目の上のたんこぶと思ってた先輩女神は、これみよがしに私を
「……」
「だからもう一人では戻れない。とは言っても、あなたも今すぐ異世界『ポッパニア』に来てくれることもない。だから――居候。あなたがいつか心変わりして『ポッパニア』に行ってもいいと言うそのときまで。そ、それまでは料理だってするし、掃除だってするわ。夜のほうはダメだけど、そ、添い寝くらいはできるわよっ。あなたはあんまりそういうのには興味がなさそうだけど。……だ、だめかな?」
……どうせ、だめって言うわよね。
平兵凡介の性格からして、「断る。いいから帰れ。この駄女神が」って一蹴するに決まってる。
そうなると私はどうしたらいいの?
どうしたら――。
「プライドもなにもなしか」
平兵凡介がぼそりと呟いた。
「え?」
「天界に住む者が人間に土下座して居候を懇願とは、自尊心の
「う……うぅ」
予想以上に
やっぱりダメか――と、私は立ち上がってトボトボとドアへと向かう。
部屋を出たあとのプランなんて何もない。
ただ、ここにいられないのなら出るしかなかった。
のだけど――、
「しかし仕事熱心と捉えることもできるか。――俺はそういう奴は嫌いじゃない」
え――?
背後から聞こえた声に、私は
「……い、今のってどういうこと?」
「どうせ行く当てもないんだろ。いたければいればいい。但し居候ではなく同居であり、ゆえに家賃は
平兵凡介はそう言うと、座ってテレビを付ける。
その背中からは感じるのは、“取るに足らない一幕が終わった”というただそれだけであり、実際平兵凡介はそう思っているのだろう。
なのに何でだろう。
あれだけ『ポッパニア』行きを断られて何度も投げられたのに、何でだろう。
――とても嬉しかった。
「あ、ありがとう、凡介っ!」
私は感情の
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