第43話
1
バサ!!
男が廊下に倒れ込んだ。
ジェネシスは銃を構え、その場にいたKINGの部下たちを制圧していた。
ブラックカイトはワイヤレスイヤホンに話しかける。
『一階、廊下クリア』
《ご苦労、しかしまだ気を抜くな》佐渡が注意する。
『了解、ナイトイーグルを追います』
その時、倒された男がこっそり動き出していた。
男は銃を拾うと、ブラックカイトに照準を合わせていた。
ブラックカイトは佐渡とのやり取りで気づいていない。
男が引き金を引こうとしている。
バタン!!
男目掛けて何かが飛んできて男の顔面をヒットし倒れ込んで気絶した。
ブラックカイトが何事かと言った表情で後ろを振り向いた。
男の横には黒いこん棒が転がっていた。
【詰めが甘いぞ】
クロウスーツを身にまとった楓が立っていた。
『借りが出来たわね』
【油断するな】楓はそう言うと奥へと進んでいった。
ブラックカイトもそれに続いた。
2
KINGの押した爆弾のタイマーが刻一刻と時を刻んでいた。
『”我々”はこの腐りきった世界に新たな秩序を作り上げるんだ、そのためには壊さなければいけない物もある』
【”我々”・・お前たちは一体何者なんだ・・】
『”バベル”・・この世界に新たな秩序を構築するために結成された組織だ』
【ただのテロリストだ】
『お前が陸奥で犯罪と戦って、その犯罪は無くなったか』
【それはお前たちが犯罪を作り出してたからだろ】
『しかし、最終的に犯罪に落ちるのは人間の弱さだ』
KINGはさらに鎖を締める。『オレはこの計画をやり遂げる』
宗介は床に落ちていた矢を手に取ると、KINGの太ももに突き刺した。
『く!・・』KINGは激痛で一瞬、手を緩めた。
宗介はその場を離れると、素早く矢を放った。
KINGの右肩に矢が命中する。
KINGはその場に倒れ込む。
クロウとブラックカイトがその場に到着する。
KINGはそれに気づくと拳銃を手に取りクロウとブラックカイトの方へ構えた。
宗介はKINGの左肩にもう1本の矢を突き刺した。
激痛からKINGは拳銃を手放した。
ブラックカイトとジェネシスがKINGを確保する。
【よくやったな、ナイトイーグル】楓は宗介を労った。
【まだです、KINGは水道管にレベッカと爆弾を仕掛けています 解除しないと】そう言うと宗介は水道管の方を指さした。
ブラックカイトはKINGに手錠かけ、さらに体を縛り上げていた。
『オレはこの計画を必ずやり遂げる・・そう言ったはずだ』KINGは不敵な笑みを浮かべる。
ブラックカイトは瞬時に何かを察し、声を上げる。
『KINGから離れて!』
KINGは奥歯を噛み砕く仕草を見せ、その瞬間”カチ”と何かが作動した音がした。
次の瞬間、KINGの体が爆発を起こした。 自爆だった。
その衝撃で建物が一部崩れ落ち、宗介たちの目の前を塞いだ。
奥にはタイマーが作動中の爆弾とレベッカウィルスがあった。
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