第35話





スティンガーは倒れ込んでいる宗介の後頭部に銃を突きつけていた。



QUEENはただ見つめることしか出来なかった・・それは恐怖が初めて彼を襲ったからだ。



『お前には特に恨みはないが、仕事の邪魔になるんでな 悪く思うなよ』




『それはあなたのことよ』


スティンガーは声が聞こえた方向に振り向くと、スーツ姿の女性が立っていた 滝沢瑞穂だった。


滝沢瑞穂は外で倒れていた警官から拳銃を奪っていた、その拳銃をスティンガーに突きつけている。


『あんたが撃てば、ナイトイーグルの頭が吹っ飛ぶぞ』


『そうなれば、私があなたを撃つわよ』


『ナイトイーグルが死んでもいいのか?』


『ナイトイーグルを殺したら、あなたも死ぬことになるわ』



滝沢瑞穂とスティンガーの間で緊張が走っていた。



しばしの静寂が訪れた時、宗介は素早く起き上がり矢を放つ。


矢は近距離でスティンガーも肩を射止めていた。


宗介はすぐにベルトのワイヤーを取り出すとスティンガーの足に括り付ける。



『オレとしたことが、、』



【KINGはどこにいる】


『知らねえよ』


野上が脇腹を抑えながら現れた。


『応援を頼む、スティンガーと名乗る男を確保した・・あと、救急車頼む・・』


『優作! 大丈夫!!』滝沢瑞穂スーツのシャツを血を滲ませた野上を見て慌てて駆け寄っていった。



宗介はQUEENの方へ歩み寄り、声をかけた。



【大丈夫か】




QUEENはゆっくりと口を開く。






『知ってることを話してやる・・・・』









数日後、宗介はT都にいた。




『宗介、乗れ』愛車のBMWで乗り付けた鳥飼楓が空港で楠木宗介を出迎えた。



QUEENはその後、無事にZACKへと移送されていた。


『いろいろ手続きがあったらしくてな、遅れてすまない』


『いえ、肩の傷のこともあったので、遅れてくれたほうが有難かったです』


『もう大丈夫なのか?』


『はい』


『QUEENが何を話すかは分からないが、受け入れがたい事実を話す可能性もある・・・覚悟は出来ているか?』


『・・・・・・・はい。』


『そうか・・』




そこから2人は無言になった。




そして車はT都某所にあるZACKの施設にたどり着いた。



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