第35話
スティンガーは倒れ込んでいる宗介の後頭部に銃を突きつけていた。
QUEENはただ見つめることしか出来なかった・・それは恐怖が初めて彼を襲ったからだ。
『お前には特に恨みはないが、仕事の邪魔になるんでな 悪く思うなよ』
『それはあなたのことよ』
スティンガーは声が聞こえた方向に振り向くと、スーツ姿の女性が立っていた 滝沢瑞穂だった。
滝沢瑞穂は外で倒れていた警官から拳銃を奪っていた、その拳銃をスティンガーに突きつけている。
『あんたが撃てば、ナイトイーグルの頭が吹っ飛ぶぞ』
『そうなれば、私があなたを撃つわよ』
『ナイトイーグルが死んでもいいのか?』
『ナイトイーグルを殺したら、あなたも死ぬことになるわ』
滝沢瑞穂とスティンガーの間で緊張が走っていた。
しばしの静寂が訪れた時、宗介は素早く起き上がり矢を放つ。
矢は近距離でスティンガーも肩を射止めていた。
宗介はすぐにベルトのワイヤーを取り出すとスティンガーの足に括り付ける。
『オレとしたことが、、』
【KINGはどこにいる】
『知らねえよ』
野上が脇腹を抑えながら現れた。
『応援を頼む、スティンガーと名乗る男を確保した・・あと、救急車頼む・・』
『優作! 大丈夫!!』滝沢瑞穂スーツのシャツを血を滲ませた野上を見て慌てて駆け寄っていった。
宗介はQUEENの方へ歩み寄り、声をかけた。
【大丈夫か】
QUEENはゆっくりと口を開く。
『知ってることを話してやる・・・・』
*
数日後、宗介はT都にいた。
『宗介、乗れ』愛車のBMWで乗り付けた鳥飼楓が空港で楠木宗介を出迎えた。
QUEENはその後、無事にZACKへと移送されていた。
『いろいろ手続きがあったらしくてな、遅れてすまない』
『いえ、肩の傷のこともあったので、遅れてくれたほうが有難かったです』
『もう大丈夫なのか?』
『はい』
『QUEENが何を話すかは分からないが、受け入れがたい事実を話す可能性もある・・・覚悟は出来ているか?』
『・・・・・・・はい。』
『そうか・・』
そこから2人は無言になった。
そして車はT都某所にあるZACKの施設にたどり着いた。
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