第34話









『お前がヒーロー気取りの弓矢使いか』



【KINGの目的はなんだ】宗介は弓矢を構えたまま続ける。


『KINGとは直接関係ない、オレはビジネスでやっているからな』


『スティンガーは金で雇われた元傭兵だ』QUEENが会話に割って入った。



『KINGにQUEENを始末しろと言われたから来たまでだ』


【QUEENは重要参考人だ、死なせる訳にはいかない】


『それは困ったな、殺せないとオレに金は入らないんでな』スティンガーは素早く腰に忍ばせていた拳銃を新たに取り出した。



宗介は2発目の矢を放つ。


しかしスティンガーは武装された腕を盾にしてその矢を防いだ。


『面倒だが、お前から先に始末した方がいいようだな』スティンガーは標的を宗介に切り替えた。


宗介は素早く次の弓をセットし、放とうとしたが、先にスティンガーの拳が宗介を襲った。


スティンガーの拳が宗介の胸にヒットし、宗介は後ろに倒れ込んだ。


スティンガーは躊躇うことなく倒れ込む宗介を蹴り上げる。


【!!】


さらに蹴り込もうとしたスティンガーの足に素早く宗介はベルトに忍ばせているワイヤーを括り付け、大きく引っ張った。


スティンガーはバランスを崩して地面に倒れ込む。


宗介はその間に護送車へ向かいQUEENを助け出した。


『す・・すまない・・』


【今はお前に死なれたら困る】


次の瞬間、宗介の肩に激痛が走った。



目の前が揺らぐような感覚が宗介を襲い、その場に膝を付きQUEENの方へ倒れ込んでいった。


『おい、大丈夫か・・・』




QUEENが顔を上げると、宗介の背中の先にスティンガーが立ちはだかっていた。











外ではクロウとブラックカイトがKINGの部下たちと応戦していた。


【ナイトイーグルは!?】


『QUEENの乗ってる護送車へ向かったわ』


【数が多いな・・】


楓は宗介一人で向かったことを少し心配していたが、現状の敵の多さに身動きが取れなかった。






そんなクロウとブラックカイトの横を1台の車が猛スピードで駆け抜けていく。



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