最終章”KING(キング)”

第29話




QUEEN逮捕から一夜明けた夜のM県警





野上優作は取り調べ室に入っていった。




『オレは何もしゃべらないぜ、刑事さん』QUEENはふてぶてしくニヤけている。



『今日はオレじゃない』



『?・・』QUEENは少し困惑した。


野上優作はそう言うと取り調べ室のドアを背もたれにして腕を組んだ。



するとQUEENの後ろに人影が現れた。


その人影はすぐにQUEENの胸ぐらを掴むと壁に押し当てた。



『・・・なんだ・・あんたか』


ナイトイーグルの姿がそこにはあった。



『5分だけだ、それ以上は無理だからな』野上はナイトイーグルに念を押した。



【5分で十分だ】そう言うと宗介は掴んでいた腕をさらに強める。


【ボスは誰だ!】


『オレが話すと思うか』


【何を企んでいる】


『オレが口を割らず捜査が難航することによって”KING(キング)”への忠誠を示しているんだ』


【やはりKINGがボスか】


『さぁーな』


【それでもKINGとやらはお前を殺すぞ】


『そんなはずはない』


【助けてもらえるとでも思っているのか】


『何が言いたい・・』


【JACKを見ただろ、お前は話さないことで忠誠を誓っているつもりでもKINGには関係ない、足を引っ張ったやつは始末するだけだ】


『・・・・・・』


野上は腕を組んだまま、見つめている。


【KINGについて知っていることを話せば・・お前を守る】


QUEENはじっとナイトイーグルを見つめていた。


『本当だな』


【ああ】




QUEENは少し黙り込んでだ。


野上はまだ腕組みした状態で様子を見ている。




QUEENは少し顔を上げると、口を開いた。





『あの日、陸奥港で引き上げたのは・・”レベッカ”だ・・』


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