第28話






パトカーのサイレンがけたたましく鳴り響いていた。



ブラックカイトがQUEENを縛り上げてながら口を開く。


『私達は退散しないとね』


『あなた達・・一体何者なの??』滝沢瑞穂は状況を完全に把握出来ていなかった。


『多くは話せないけど、少なくともあなたの敵ではないわ』



【ナイトイーグル、よくやったな】クロウが姿を現す。


『クロウ・・? あの”ナインゲートのカラス”(”CROW -the origin-”参照)って言われている・・あのクロウ・・なの?』


『有名人ね』ブラックカイトは皮肉を込めて楓に言った。



『まぁいいわ、これでナイトイーグルの”JACK殺し”の汚名は晴らせる』瑞穂はボイスレコーダーを手に持ち、さらに話し出す。


『だけど、今やその論点はあなたのビジランテ活動の方に向かれているわ』


【それなら、オレに考えがある】楓はある人物を思い出していた。



『瑞穂!!』遠くから声が聞こえてきた。


野上優作が勢いよく走っていた。


『優作!』


野上は一目散に瑞穂の方へ向かうと強く抱きしめた。


『大丈夫か?!』


『ええ、私は無事よ 彼のおかげでね』と言うと瑞穂はナイトイーグルの方に視線を送った。


『ナイトイーグル、ありがとう・・』


【まだ、終わってない QUEENはボスではない】



『野上さん!そっちは大丈夫ですか!』警官が数名、駆け寄ろうとしていた。



『こっちは大丈夫だ、そこにいるQUEENを逮捕して署に連れて行け、それと・・そいつの口は塞いどけよ』


野上優作はナイトイーグルの方に振り返った。


『そこの奥に出口がある、そこからお前たちは行け』


『優作・・?』


『ナイトイーグル、オレはお前を少し誤解していたかも知れない・・お前はヒーローだ』





奥の出口から脱出した途端に宗介は倒れ込んだ。


矢を突き刺していた傷の痛みが再び襲ったようだ。


宗介はその場に仰向けに倒れ込んだ。



楓がそっと手を差し伸べた。


『大丈夫か』


『これだけは言っておきたい・・・僕は、両親の死の真相が知りたい・・これだけは譲れない・・・』


楓は手を差し伸べたまま、聞いていた。


『その後だったら・・・チームの話を聞いていいですか?』



『ああ、』



宗介は夜空を見ながら、つぶやいた。



『”大いなる力には、大いなる責任が伴う”・・』



『スパイダーマンか』楓はそっと答えた。


『知ってるんですか?』



『家に全巻揃ってる』




『さすが・・大企業の社長さんですね・・』



宗介は楓の差し伸べた手を握り起き上がった。











◇陸奥市内:とある一室




QUEENが逮捕された一報は”KING(キング)”の耳にも届いていた。


KINGはドア付近に立っている部下を呼び寄せ、指示を出した。




『”スティンガー”を呼べ』



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