第28話
1
パトカーのサイレンがけたたましく鳴り響いていた。
ブラックカイトがQUEENを縛り上げてながら口を開く。
『私達は退散しないとね』
『あなた達・・一体何者なの??』滝沢瑞穂は状況を完全に把握出来ていなかった。
『多くは話せないけど、少なくともあなたの敵ではないわ』
【ナイトイーグル、よくやったな】クロウが姿を現す。
『クロウ・・? あの”ナインゲートのカラス”(”CROW -the origin-”参照)って言われている・・あのクロウ・・なの?』
『有名人ね』ブラックカイトは皮肉を込めて楓に言った。
『まぁいいわ、これでナイトイーグルの”JACK殺し”の汚名は晴らせる』瑞穂はボイスレコーダーを手に持ち、さらに話し出す。
『だけど、今やその論点はあなたのビジランテ活動の方に向かれているわ』
【それなら、オレに考えがある】楓はある人物を思い出していた。
『瑞穂!!』遠くから声が聞こえてきた。
野上優作が勢いよく走っていた。
『優作!』
野上は一目散に瑞穂の方へ向かうと強く抱きしめた。
『大丈夫か?!』
『ええ、私は無事よ 彼のおかげでね』と言うと瑞穂はナイトイーグルの方に視線を送った。
『ナイトイーグル、ありがとう・・』
【まだ、終わってない QUEENはボスではない】
『野上さん!そっちは大丈夫ですか!』警官が数名、駆け寄ろうとしていた。
『こっちは大丈夫だ、そこにいるQUEENを逮捕して署に連れて行け、それと・・そいつの口は塞いどけよ』
野上優作はナイトイーグルの方に振り返った。
『そこの奥に出口がある、そこからお前たちは行け』
『優作・・?』
『ナイトイーグル、オレはお前を少し誤解していたかも知れない・・お前はヒーローだ』
*
奥の出口から脱出した途端に宗介は倒れ込んだ。
矢を突き刺していた傷の痛みが再び襲ったようだ。
宗介はその場に仰向けに倒れ込んだ。
楓がそっと手を差し伸べた。
『大丈夫か』
『これだけは言っておきたい・・・僕は、両親の死の真相が知りたい・・これだけは譲れない・・・』
楓は手を差し伸べたまま、聞いていた。
『その後だったら・・・チームの話を聞いていいですか?』
『ああ、』
宗介は夜空を見ながら、つぶやいた。
『”大いなる力には、大いなる責任が伴う”・・』
『スパイダーマンか』楓はそっと答えた。
『知ってるんですか?』
『家に全巻揃ってる』
『さすが・・大企業の社長さんですね・・』
宗介は楓の差し伸べた手を握り起き上がった。
*
◇陸奥市内:とある一室
QUEENが逮捕された一報は”KING(キング)”の耳にも届いていた。
KINGはドア付近に立っている部下を呼び寄せ、指示を出した。
『”スティンガー”を呼べ』
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