第26話
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『滝沢、この件から手を引け』
『ダメだ、ここから逃げたら奴らの思うツボだぞ』
『しかし・・このまま首を突っ込んだら・・お前、殺され・・』
『おい! 子供がいるんだぞ』
リビングの戸から心配そうに覗き込む一人の少女がいた。
『瑞穂、まだ起きてたのか』男はさっきまでの険しい表情から父親の顔に変わっていた。
『お父さん・・死んじゃうの・・?』少女は目に薄っすら涙を浮かべて話しかけた。
『死んだりしないよ』
『お父さんは正義の味方なのよね』
『そうだよ、正義の味方は死んだりしない』
すると瑞穂は笑顔を取り戻した。
『さぁ、もう寝なさい』
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薄暗い廃ビルの一室で滝沢瑞穂は目を覚ました。
『お目覚めか、女検事さん』
滝沢瑞穂は柱を背にし、後ろ手に縛られた状態だった。
夢の中で久しぶりに父親を見た、正義を貫く瑞穂にとってかけがえのない存在だった・・・・
『QUEEN・・何をする気なの?』
『今夜、ナイトイーグルは本当の殺人者になる』
『”本当の殺人者”・・・・やっぱり、JACK殺しはあなたの仕業なのね』
『オレが警官に暗示をかけてJACKを殺した、あいつは少し頭が悪くてウザかった』
『JACKとは仲間だったんでしょ』
『笑わせるな、オレは群れない』
バァン!!
扉が蹴飛ばされ、ナイトイーグルが姿を表した。
QUEENはその方向に振り向くことなく口を開いた。
『ナイトイーグルのお出ましだ』
宗介はすぐさま矢筒から矢を取り出し、弓矢をQUEENに向けた。
【彼女を離せ】
『お前は今夜、この女を殺すことになる』
QUEENは腰から拳銃を取り出すと宗介目掛けて放った。
宗介はすばやく避ける。
しかし次の瞬間、一瞬QUEENを見失った。
宗介がQUEENの居場所を突き止めた時にはすでに遅かった。
QUEENは宗介の真横に立ちはだかり人差し指を宗介の額に押し当てた。
【く・・・】
『お前は、オレが指を鳴らすとあの女検事さんを自分の弓矢で撃ち抜く』
そしてQUEENは指を鳴らした。
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