第24話
ある男はこう言った。
《ナイトイーグルは果たして犯罪者なのか?》
別の男はこう切り返す。
《そもそも、この日本においてヴィジランテ・・つまり自警団として犯罪に暴力で戦うことは認められていません。よってナイトイーグルは今回の殺人容疑うんぬんより前に既に犯罪者と考えるべきでしょうね。》
それに女が反論する。
《しかし、ナイトイーグルが陸奥市に現れて以来、街の犯罪率は少しづつではあるが減っていることは確かです。》
さらに別の男が言った。
《しかもナイトイーグルが街の犯罪者と戦うことによって他の犯罪へ抑止力になっていることも事実です。》
テレビの向こうではコメンテーターたちがナイトイーグルについて意見をぶつけている。
野上優作はテレビを見ながらつぶやいた。
『ナイトイーグルは正義か悪か・・・か、、』
『JACK殺しは無実よ』瑞穂が切り返す。
『しかし、このおっさんの言ってることにも一理ある。ヴィジランテ行為を認められていない』
その時、野上の部屋のインターホンが鳴った。
『誰だ?こんな時間に・・』野上は少し警戒する。
ドアの覗き穴から外を確認すると男が立っていた。
50代ぐらいの細身の男だった。
『あの・・どちら様ですか?』
『陸奥地検の相田(あいだ)と言います・・』
『相田さん?』滝沢瑞穂は慌ててドアの方へと向かった。
『どうしたんですか?相田さん』
『JACK殺しに関して新たな証拠を掴んだ、ナイトイーグルを救えるかもしれないと思って、お前を探してたんだ、県警に言ったら野上刑事と付き合ってるっぽいから家にいるんじゃないかって言われた』
『なんでそうなるんだ・・?』優作はまんざらでもない表情を見せた。
『違いますよ!幼馴染なだけですかから、あんた何顔赤くしてんのよ』
滝沢瑞穂はドアを開けた。
目の前には相田が立っている。
野上はその表情に異変を感じ取った。
相田の額に薄っすら汗が滲んでいる。
『瑞穂!!しゃがめ!』
咄嗟の声に瑞穂は下へ屈む。
その瞬間相田の頭は後ろから何者かに銃で撃ち抜かれた。
相田が崩れ落ちる姿を見ていた瑞穂はその後ろにもう一人誰かがいたことを今、気づいた。
それは黒いスーツに黒いネクタイを締め、細い目が釣り上がった不気味な男だった。
『あなたが・・QUEEN・・?』
『ハロー、女検事さん』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます