第17話
『時系列で言えば、君の先輩に当たるだろうな』
政府の特別機関”ZACK(Zone Advance Crisis management Knot of division)”の長官を務める佐渡 健(さど たける)(”CROW -the origin-”参照)はA4サイズの茶封筒をテーブルに置いた。
『楠木宗介は2014年に起こった大震災の後、陸奥市に現れたグレート・エスケープ(”CROW -the origin-”参照)と出会い、訓練を受けた』
『目的は?』
『勧誘した経緯は楓、君と同じだ 彼らは楠木宗介に何かを感じた為、街の秩序を彼に託した』
『弓矢も彼らが教えたのか?』
『いや、それは彼のオリジナルだ 楠木家には昔、”楠木流”と呼ばれる弓道の流派が存在していた』
『”楠木流”?』
『楠木宗介の祖父にあたる楠木清十郎(くすのき せいじゅろう)の代まで流派は守られていた・・しかし、宗介の父親はその代を継ごうとはしなかった、そのため楠木流は清十郎の代で幕を下ろしたんだが、父親は気持ちを清める意味合いで宗介に弓矢を教えていた』
『それをナイトイーグルに活かした・・ってことか』
『どう見た? 楠木宗介のナイトイーグルは』
楓はテーブルに置かれていたブランデーをコップに注ぎ、一気に飲み干してから口を開いた。
『グレート・エスケープが叩き込んだだけあって、戦闘技術は確かに高いが・・・彼はまだ未熟だ』
『君が居なかったら陸奥港で死んでいただろうな』
『彼の目は憎悪で溢れている』
『今の楠木宗介は両親の死の真相とその復讐にだけしか向けられていない』佐渡はテーブルに置いてあった茶封筒を楓に渡した。
『3年前の2014年、楠木宗介の両親は謎の死を遂げている 彼はその死に疑問を感じている為、その真相を突き止めようとしている』
『グレート・エスケープで得た戦闘技術を利用して復讐を成し遂げようとしているのか』
『だから、君を呼んだんだ』
『僕にどうしろと?』
『ナイトイーグルを教育しろ、そして彼をチームに加える』
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