第2章”QUEEN(クイーン)”

第13話



◇陸奥地検




『ありえなわ!』


出勤早々、滝沢瑞穂は新聞を叩きつけた。


『ナイトイーグルも所詮、犯罪者だったってことですかね』若い検事補佐官がつぶやいた。


『ナイトイーグルはそんな人じゃないわ!』瑞穂は補佐官を睨みつける。



『・・すみません・・』



『まるで会ってことがあるような、言い草だな滝沢』上司が横から口を挟んできた。


『会いましたよ』滝沢瑞穂はアッサリと答える。


『ええ!!』上司と若い検事補佐官は同時に声を上げた。


『お前なー、いつだよ!それ』


『先日捕まった、強盗殺人の被疑者を追い詰めた時です』


『なんて危険なことやってんだよ・・お前は・・』


『ナイトイーグルは確かに被疑者に矢を向けました・・けど、彼は殺さなかった』


『たまたまでしょ?』若い検事補佐官が横やりする。


『違うわ、彼は殺しはしない』


滝沢瑞穂は何かを思いつくと、地検事務所を飛び出した。



『おい、滝沢 どこ行くんだよ!』



『すぐ戻ります!』











◇陸奥市役所 11:00 am




正面の自動ドアが開き、一人の男性が入ってきた。


スーツをキレイに着こなした、長身の男性はそのまま受付の方へと向かった。




『すみません、今日の16時から市長と面会のアポを取っていたんですが、予定より早く着いてしまって・・・』


『あ、そうですか・・・えーと、失礼ですがお名前を・・・・』受付の女性が名前の確認をした。









『鳥飼 楓(とりがい かえで)です』


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