第10話
1
◇陸奥港
中型船が停泊していた。
コンテナから数名の男たちが出てくる。
男たちは、この日に関しては手に拳銃を持っていた。
ナイトイーグルが来ることが分かっているからだ。
『今日ハ、ドウシマシタ? JACK?』スーツを着こなした中国人が話しかけた。
『ちょっと今日は”招かれざる客”が来るもんでね』JACKはサバイバルナイフをもて遊びながら答えた。
『ソレハ厄介ナコトデスネ』
『あんたらには迷惑は掛けない、ところで例のブツは?』
『ゴ心配ナク』
中国人は首で後ろにいる部下に合図をかけた。
荷物が運び出されていく。
その時、見張っていた部下の肩に激痛が走った。
『ぐわあああああ!』
部下の右肩に矢が刺さっていた。
『来やがったか、弓矢野郎』JACKはつぶやいた。
JACKは無線を手に取り部下に支持を出した。
『ナイトイーグルが来たぞ、ぶっ殺せ』
2
『ぎゃああ!』
『うわああああ!』
宗介は矢を打ち放ち続けた。
そして前に進んでいく。
宗介の左から部下が襲いかかって来た。
宗介は前を向いたまま、矢筒から矢を取り出し左に向かって放つ。
部下の左肩に矢が刺さり、悶絶する。
もがき苦しんでいる部下たちから矢を抜き取るとその矢を再び矢筒へ戻した。
3
『荷物を降ろしたなら、あんたらはすぐに港を出た方がいい』JACKは中国人に語りかけた。
『ソノヨウデスネ』
中国人はそう言うと船へと乗り込んでいく。
宗介は港から出港する船を確認する。
999(スリーナイン)の部下たちが続々現れ、襲いかかってきた。
宗介は巧みな戦闘能力を駆使して999(スリーナイン)の部下たちを蹴散らしていく。
しかし、宗介は背後から忍び寄るもう一人の部下の姿は確認できていなかった。
部下はゆっくり銃を構えた。
『死ね、ナイトイーグル』
次の瞬間、脇の物陰から部下の構えた銃口を握る何者かが現れた。
『!!』部下は声を上げることさえ出来ないほど一瞬で、肘打ちをくらいその場に倒れ込んだ。
その何者かは、そのまま宗介の背中を見ながら佇んでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます