第6話
1
◇事件から一週間後
宗介は高田のおばあさんの家の前にいた。
そこはまだ”KEEP OUT”のテープが貼られたままだった。
そしてその家にはもう人が住んでいる気配はなかった。
宗介はあの事件があった日、陸奥市民病院に向かったが、高田みさえはすでに帰らぬ人となっていた。
宗介がその後、警察から詳しい事件の詳細を聞いた。
高田みさえは夜に近くのコンビニに買い物に出かけていて、その数分家を空けた時に強盗が入ったとのことだった。
買い物から帰ってきた、みさえが強盗と出くわし強盗が持っていたナイフで腹部を刺され、それが致命傷となり死亡したとのことだった。
現場にはコンビニで買ったであろう、煎餅の詰め合わせが転がっていた。
犯人は現在も逃走中で、執行猶予中の薬物依存者であり、クスリ欲しさに強盗に入ったと報道されている。
雨が降が降りしきる中、宗介は傘をささずにただ、立ちすくんでいた。
2
ある夜、陸奥市内のバーで滝沢瑞穂は一人で飲んでいた。
バーにあるテレビ画面には一週間前に起こった強盗殺人事件の続報が流れていた。
瑞穂はほろ酔いで目を座らせて、テレビ画面を見ていた。
『この街は汚れてるわ・・』
目線をテレビから窓側に移したとき、見覚えのある顔の男が走り去っていた。
そしてその後を追い、素早く駆け抜ける何かが見えた。
最初の男はテレビで流れていた強盗殺人事件の犯人だった。
滝沢瑞穂は万札をテーブルに置くと自分も後を追った。
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