政見放送
選挙戦が始まり、政見放送を見る度に思い出す事がございます。
あれは、小学校低学年の頃…
私はお江戸におります叔母の家に遊びに行っておりました。
昼寝から目覚めますと、叔母夫婦はテレビの政見放送を見ておりました。暫く致しますと、寝ぼけまなこで、ぼんやりしていた私を覚醒させる衝撃的な放送が始まったのでございます。
主要政党の子供でも見た事がある政治家の真面目な(子供にとっては退屈な)主張ののち、青い画面に切り替わり次の政党名が出ました。そこにあった政党名…
『UFO党』
てのはまだ夢を見ているのかしらん??真面目で退屈なテレビのはずなのに、このワクワクする気持ちは何かしらん??
子どもはお化けとUFOの話が大好物なのでございます。矢追純一を崇拝するのでございます。意味がわからなくても、未知のもの、目に見えないものを知りたくて仕方ないのでございます。
再び画面が切り替わりますと、お二人の紳士が頭を下げました。その後ろには、やはり大きく『UFO党』の文字。何でしょう?お笑い番組なのかしらん?この後、変なおじさんが出てくるのでしょうか?叔母夫婦は、興味を無くしたようで、それぞれ台所に立ったり、新聞を広げたりし始めましたが、私は『UFO党』に釘付けでございました。
テレビの中の紳士達は話始めます。
「我々UFO党は来たる未知との遭遇に備え…知的生命体との……国家での対策が…国連と連携し…うんぬんかんぬん…UFOの調査と未確認生命体を…我々がUFOに…宇宙人とコンタクトを取るためには……」
子供が理解するには難しい内容を話しておりましたが、要は将来必ず遭遇するであろうUFO、地球外生命体に備えをすべきだと言いたかったのでございましょう。子供ながら、物凄い衝撃を受けたものでございます。と、同時に、お江戸には面白い方がいるものだと思ったのでございました。
オトナ(それも結構なお歳の)が真面目にNHKの電波に乗せて政見放送と言う場で語っているのが子供の好奇心を刺激してやまないUFOのお話。今にして思うと、バブルの浮かれポンチ時代が生み出したミニ政党なのでございましょう。ある意味、何でもアリの面白く、お馬鹿なさんな時代だったのでございますね。『UFO党』今もあるのでしょうか??
選挙権を有した今、もし出馬されるならば、私の清き一票を捧げたいと思います。一度くらいは。UFO、未知との遭遇には常日頃から備えねばなりませんもの。
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