第8話 おっさんスタートラインに立つ
ギルドをでて宿に向かい中へ入ると、珍しく女将さんがカウンターに居た。
「おかえり 今日はずいぶん早い帰りだね」
「はい これから小ダンジョンに仲間と入ることになりましたので荷物をとりに、あと初めてのダンジョンで何が起こるかわからないので一応部屋を解約しようと思ってきました。」
ガチャン!!!
女将さんと俺の会話中、宿を出ていくと話したらカウンターの奥からものすごい音が聞こえてきた。
「えっ!アマガイさん出て行っちゃうんですかっ!!??」
と真っ赤な顔で少し涙目になりながらリドリーがものすごい勢いででてきた
「うん 部屋を取っておいて何日も帰ってこないのも悪いし・・・・それになにかあったらもっと迷惑かかるからね」
という俺に対し リドリーは そんな!迷惑だなんて と叫び 女将さんは その様子を見て
くっくくと苦笑していた。
「リドリー?アマガイも冒険者なんだよ?常日頃なにがあるかわからないし、攻略済みとはいえダンジョンはダンジョンさ危険度は跳ね上がる」
それに今はここを拠点としているけどいづれあちこちの街に行っちまうよ
と諭すように優しく微笑みながらリドリーに言い聞かせた
リドリーはわかってるけどと小声でつぶやくだけだった。
「リドリー 今日空く203号室は部屋の備品の整備で1週間使用禁止にするからだれも泊めないでおくれ」
と奥から優しそうでダンディーな声が聞こえてきた
そもそも203号室は俺がこちらの世界にきてからずっと泊まっている部屋だ
「お父さん!!! うん!うん! わかったよ!!! アマガイさん小ダンジョンなら1週間もかからず帰ってこれるから帰ってきたらまたうちにきてくる?!」
とある種の殺気に似た勢いにのまれ 約束する と言ったら やったー!お父さん大好き!!と
父親のいるであろうカウンターの奥に勢いよくかけていった。
「ペイルも相変わらず・・・・リドリーには甘いねぇ」
と女将さんが笑っていた
「元冒険者の私からのアドバイスだ ダンジョンは自分一人が通れたからと言って安全というわけじゃない時間差の罠やいろいろなことが起こる一瞬でも気を抜くんじゃないよ?」
「はい!・・・え?ってか女将さん元冒険者だったの?」
リーネさんと呼べと怒られたが女将・・・リーネさんは昔冒険者でランクはA級だったらしい
すげぇなあんな細身で綺麗なのに・・・・と思っていると
「私はこう見えても身持ちが硬くてね 惚れちゃだめだよ?」といってきたので
「間に合ってます では、いってきます」
と淡々と荷物を背負い宿を出た
門にたどり着いたら
チームのメンバーがそろっていたが
非戦闘組の唯一の男レオンだけ来てなかった
「レオンさんは皆が返ってくるまでに鍛冶LVを5まであげて必ず独立の許可をもらう」
と弟子入りした工房に向かったとアルさんが教えてくれた。
「アマガイさん?団体行動ですからね?いつもみたいな無茶はだめですよ?」
とついでにアルさんに釘を刺され
メイちゃんやヨーコちゃん、もう一人の取り残された係員のカナちゃんまで
力強くうんうんと首を振って肯定していた。
「大丈夫だよ アマっちゃんは私が守ってあげるから」
「ですね アマガイさんには怪我一つ私がさせません!」
と7名の戦闘組の中たった2人の女性が自信満々でいい
非戦闘組が お願いしますね! まかせたよ! と言い合っている
「いや、気持ちはありがたいがニーニャもリオンも自分の安全最優先で頼むよ」
「くっ・・・なんで ただのおっさんのアマガイさんだけ・・・・」
「リュート君・・・・・君のそういうとこが・・・・もてない理由なんじゃ・・・」
「皆 それくらいにしとこうか そろそろ行こう」
とブルーノさんが声をかけ
戦闘組が返事をし門をくぐった
街に残るメンバーはそれぞれ応援の言葉をくれたのが、意外とうれしくてやる気もでた。
「このまま西に5Kmほど進んだ先にあるダンジョンの1つに入る道中は道が開けているとはいえ
なにがあるかわからない各自いつでも戦えるように進もう」
と
ブルーノさんの声に従い7人で西へと歩いた。
道中、特に野党や盗賊、魔物も出ずにすんなりこれた
ダンジョン前に行くと
出店が数店あり回復薬や食料、水などが売っていた
必要そうなものを補充し
ダンジョン入り口に行くと
全身鎧の門番みたいな人がいて後ろに詰所みたいなものまである
「チームでダンジョンへ入る方々ですか?」
と声をかけられ
ダンジョン内で強盗する奴らもいるし、1週間ダンジョンから帰ってこなかったら兵士が探しに行くので
そのために名前と入った日時を把握するため関所をもうけて身分証を提示してもらっているそうだ
全員提出し特に問題がないので通行許可証をそれぞれもらい
とうとうダンジョンへ足を踏み入れることになった
「やっとダンジョンへこれた・・・・ここから・・・・だな」
緊張と不安、何としても必ず帰るという気負いみたいなものがでてしまっていたのか
「アマガイくん 冷静にな」
「たった7階までしかねぇダンジョンだ肩慣らし程度にサクサクいっちまおうぜ」
と
ブルーノさんとライルが背中を叩きながら声をかけてくれた
あぁ そうだね
と言って俺も皆のあとに続いてダンジョンへ踏み込んだ。
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