第6話-笑顔-

『この世界では、みんな。

人生をやり直したい、と思う人たちが来ているんだよ。』


と、七瀬さんが言った。


みんな、か。


『みんな、最初はね戸惑うの。

現実世界みたいな、感じだからさ。

でも、一つ違うのは仮想空間だから痛みも何も感じない。

ほら…あれを見てみて』


そう、言った七瀬さんのほうを見ると、刃物で何やら戦っている人がいる。


『あーいうのも、現実じゃあ、犯罪になるけど。

でもここならそういう規則はないからね。

あくまで、自分の人生をやり直したい、とかそういう目的でいるわけなのだから。

でもね…本当は嫌なんだ、あんなの、やり直してるように私には見えないからさ。』


と、続けて七瀬さんが言った。


『…そんな人たちは、どうなるんですか…?』

と、私は七瀬さんに向けて言った。


『…それはね。あまりにそういうのが多ければの話だけど。

この世界の支配人というか、王様かな、が処罰を決めるんだよ。

そこで、無理やり現実世界に戻されたり、とかさ。』


なんて困ったように、七瀬さんは言った。



…この世界も、難しそうだななんて、思ってしまった自分もいた。


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