第5話-新たな生き方。-
生き方なんて、一つじゃない。
そう誰かが言った言葉が頭の中で横切る。
…やり直したい、そう思った、私は。
『…よろしくお願いします』
静かに、目の前にいる人物に、頭を下げた。
…目の前にいる人物は、『そうこなくっちゃ。』と静かに笑った。
そして、目の前にいる人物は。
『…私の名前はね、七瀬。
去年の夏に現実世界で自殺した。
完全に死んだわけではない。…ほらみて。』
と、いい、さっきと同じように、小さな画面を手で作り現実世界の’’七瀬さん‘’と思われる姿を映し出した。
『…病院で、今は昏睡状態になってる。
こうなったのも、私が海に飛び込んだから、なんだけどね。』
なんて、七瀬さんは、笑いながら言った。
『それでも、この世界でやり直したい、と思ったから。
貴方がここに来たように、来た時迷わずこの世界で生きるのを選んだよ。(笑)
…なんて私のことはもういいと思うし、そろそろこの世界にいこうか?』
私は思った。
私だけがこんなにつらい思いをしてるわけじゃないという事を。
そして、これからこの世界で生きていく際に、七瀬さんについていこうと。
『…七瀬さん。
よろしくお願いします。』
これまでにないくらいの笑顔を七瀬さんに向けて見せたのと同時に、暗闇から私たちは脱出した。
・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます