第21話 二〇一五年十二月十五日

 セブンイレブンでノートとボールペンを買った。遺書をもう一度書くつもりだったが肩慣らしで、時系列で今まで起きたことを書いていく。その時何を思い、どう行動したのか。赤裸々に嘘、偽りなく正直に。

 頭が燃えるように熱く、ボールペンを持つ右手首が痛い。しかしいつしか痛みを忘れて夢中になっていた。決壊したダムのように記憶が溢れ出す。強い筆圧と手汗によりボールペンが滑る。全身から汗が噴き出す。それでも構わず書いていく。アドレナリンがどくどく分泌しているのを感じた。今まで溜まった鬱憤を全て文章にぶつけていく。頭が冴え記憶が蘇っていく。不思議な感覚だった。

 気がつくと二時間たっていた。スポーツで汗を流したような心地よい疲労感。喉が渇いて水をたっぷりと飲んだ。チョコレートも食べた。

 書いたものを読み返す。汚い字で誤字も脱字も多い。でも満足していた。その日の夜は鬱にならなかった。久しぶりに安心して眠った。

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