まんじゅうこわい

ブループロセスチーズ

第1話

まんじゅうこわい

あるところに、仲のいい男たちがいた。その男たちが話しているうちに、それぞれに怖いものはなにか?というはなしになり、それぞれにいくつかあげていくことになった。一人、また一人と打ち明けていき、最後の一人に回ってきた。他の男は素直に打ち明けたのに、この男だけ渋るのである。何故隠すのか、本当は何が怖いのかと他の全員で問い詰めていく内に、その男は根負けして「実は幽霊が怖い」と言った。他の男達は「なんだそんなことか」と笑った。何故なら、他にも何人か幽霊が怖いと言うものもありと、恥ずかしがるのもおかしいからだ。

それからしばらくして、その男を驚かせようと話が持ち上がった。早速準備は進められ、深夜、集団から何人かがその男の家に幽霊の仮装をしてまちぶせることになった。が、その男はそれを見ても怖がるどころか、「おうお前ら、こんな時間に何やってるんだ?」と声をかけてきた。まさか俺らに嘘を付いたのか、とその場で怒り出すと、慌ててその男は「いや違う、本当に怖いものがはずかしかったのだ」と言い出す。じゃあそれはなにか、と聞くと、「まんじゅうだ」と心底恐ろしそうに言った。これには男達も呆れるしかない。まんじゅうって、お前落語かなんかか。

しかしその男達は懲りず、またその男の家に深夜侵入し、剥き身のまんじゅうをベッドの隣に大量に並べて置いた。

翌朝、その男は死んでいた。


_人人_

> 完 <

 ̄^Y^_

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