第7話 SNSを有益活用できていない

「それじゃ、星100獲得(仮)おめでとう」


「おめでとう」


脳内親友イマジナリーフレンドのフェルナンド・木村さんと僕は、木村さんの部屋でささやかな祝賀会をあげていた。


「星が100個獲得できない」という創作論を書いていたらそれが星100に到達した。素直に喜んでいいものか困惑したが「いちおう皆さんのお陰です的な発言をしておいた方がいい」という木村さんの打算的なひと言で今回の開催が決まった。


「それじゃまず、アミーゴから開会の挨拶だ」


「はい。えーとこの度はみなさ


「バーンナッコウ!!」


「えししっ!!」


「バカヤロウ!声が小せえ!やり直しだ!」


「コノタビハァ!!ミナサンノォ!!」


「うるせえぇ!!」


「でばぶっ!!」


「部屋で騒ぐな!大家にキレられるだろ!こんボケェ!」


「ええ‥‥なんだよ‥」


「もういい。挨拶はその辺にしろ。パーティの始まりだ」


「い、いえーい‥‥」


「おい。パーティフードはどうした?」


「え?」


「まさか手ぶらじゃないよな?」


「だって木村さんが来いって言うからそっちで用意してるもんだとばかり‥‥」


「飲み物は?」


「いや、何も‥‥」


「あっ‥‥」


「‥‥」


「‥‥」


「チッ‥‥」


「アレ?木村さん、なんか今舌打ちしなかった?」


「いや。全然。しないよしないしない」


「だ、だよね〜」


「いやあアミーゴの祝賀会だからなあ。俺が用意すればよかったよ」


「いや、僕も気を使えなくてゴメンね」


「あははは」


「あははは」


「‥‥」


「‥‥」


「‥‥(チッ)‥」





「さて。茶番はこの辺でやめて。今日は自分でやる宣伝についてだ」


「アレ?今回は茶番短めだね。どしたの」


「うむ。前回が比較的低評価だったから自分なりに分析した結果、『内容の3分の2が茶番だったから』という結論に行き着いた」


「自分に対して勉強熱心だね‥‥」


「ああ。悲しいくらいにな」





「で、宣伝についてだっけ?」


「そうだ。まあ小説に限った話じゃないが、ネットに創作物を投稿してる人はその多くがTwitterを使用してるイメージだな」


「そうだね。投稿サイト自体でも宣伝はできるけど、やっぱりSNS。とりわけTwitterを使ってる人はかなりいるね」


「実際のところ、小説家になろうなんかはそれ自体の登録者数が多いから全体からみたらTwitterの利用者数は大したことないのかもしれない」


「Twitterでは『@なろう』って名前の人結構見かけるけどね。そんなに多いんだ。なろうのユーザーって」


「そうだな。古参のサイトだしな。なんたって80万人の登録者がいるという話だ」


「はちじゅうまん!?」


「ああ。それに比べてカクヨムは今年の始めで10万人。まあこれでも多い方だが、まだまだ新参って感じの数字だ」


「そうだね。もう戦闘力のインフレみたくなってるわ」





「数が少ない分、カクヨムユーザーでTwitterをやってるとつながる率が高い。カクヨムでは最近、プロフに直でTwitterIDのリンクを貼れるようになったから便利になったしな」


「それで最近『カクヨムで書いてますTwitter始めました!」』ってユーザーが多いんだね」


「Twitterでつながってカクヨムでもフォロワーになるパターン。カクヨムでつながってTwitterでもフォローするパターン。その両方があるからカクヨム内でもTwitter利用者はこれから少しずつ増えていくんじゃないかと俺は考えている」


「まあ僕がカクヨムの存在を知ったのも、何を隠そうTwitterだしね。便利ではあると思うよ」


「そうだろう」


「でも、正直言っていいかな」


「なんだ?」


「僕個人の見解になるけどさ。Twitterでの宣伝って、そこまで効果があるとは思えないんだよね」


「いちおう最後まで聞いてやる。続けろ」


「お、おう。僕はTwitterを小説アカウントで始めてそろそろ2年くらいになるんだけど。今ざっとフォロワーが1200人いるわけ」


「そうだな」


「最初はさ。フォロワー1000人もいたらとんでもない拡散力があると思ってたけど、実際大したことないっていうか。この創作論だって最終的にはランキングとカクヨム自体のピックアップで注目してもらえた感がデカいと思う」


「じゃあお前は、Twitterでの宣伝はオマケ程度だと思ってるのか?」


「そうだね」


「バーンナッコウ!!」


「あぶっ!!」


「それはテメエが!Twitterをまるで使いこなせてないからだマヌケ野郎!!」


「そんな!?」


「いいか。Twitterってのは使う奴によってはとんでもないポテンシャルを秘めている。例えるなら‥‥」


「例えるなら?」


魔法メェジェックだ」


パリーン!


その瞬間木村さんの部屋の窓を突き破って、筒状に丸まった紙が投げ込まれた。


「うあ!?恐怖新聞だ!木村さんの家に恐怖新聞が届いた!?」


「落ち着けニーニョや。そのネタは昭和生まれにしか分からんぞ。平成生まれは『つのだ☆ひろ』と『つのだじろう』の区別もつかん」


「いやそれはねえだろ。ていうか木村さん。そも例えも分からないと思うよ」


「まあいいから。こいつはお前に届いたんだぞ」


「え?何これ?なんかの請求書?」


「こいつはな。Twitter魔法学校の入学許可証だ!」


「魔法学校!?」


「そうだ。Twitterは魔法メェジェックだ。使い方によっては奇跡も起こせる。上手く使えばな」


「じゃあ今回はこれから魔法学校に行ってTwitter魔法を学ぶの?」


「いや、魔法は学ぶけど魔法学校には行かない」


「え?じゃあどうするの?」


「魔法学校はここだ」


「え?」


「この部屋が学校だ。俺が教える。言ったろ。茶番は少なめだ」


「‥‥じゃあ初めから魔法のくだりは要らないんじゃ‥‥」


「グリフィンドール!!」


「ぶえっ!!」


「黙れ!魔法だって言ってんだろ!つべこべ言うな!」


「うう‥‥酷い‥‥」


「初歩的な事から教えていく。これを読んで、ワンチャンTwitterを使用する民が増えるかもしれないからな。まずは手本を見せてやる。いいか」


「手本?」


「えーと、『僕が星100を獲得できない、更新しました』を打ちましてっと」


「宣伝お疲れ様です」


詠唱ツイート!」


「えいしょう?」


「今、俺の想いが世界に拡散した」キリトッ


「なんかカッコいいね」


「まあ実際はフォロワーにしか拡散してないし、見てる人間も僅かだがな」


「悲しいね」


「おっと!フォロワーの人が宣伝の詠唱ツイートをしてる!」


「ああ、この人いつもリツイートしてくれるよね。好い人だよね」


重詠唱リツイート!」


「じゅうえいしょう?」


「今、仲間フォロワーと俺の意思が繋がった」キリトッ


「はいはい。それで?どうすれば効果的な宣伝になるの?」


「ああ。大事なのは普段の行いだな。お前も経験あると思うが、他人の詠唱ツイート

ひんぱんに重詠唱リツイートしてると向こうからも拡散してくれる率が高くなるだろ?」


「なんかそのフリガナ表記ウザいな。‥‥そうだね。でもあれって結構めんどう臭いんだよね。マメにツイートしないといけないから時間もかかるし。いちいちお礼ツイートしなきゃいけない気がするし。Twitterに時間さくなら小説に使いたいっていうか‥‥」


「クルシオ!!」


「ひぶっ!!」


「何言ってんだ!てめえなんてTwitterに時間さかなくてもエッチなまとめサイトとか見てんだろ!小説に費やしてる時間よりネットサーフィンしてる時間のが長いじゃねえか!」


「ギクッ」


「エッチなまとめサイトを読むのが悪いとは言わないけどな、もしも星を1つでも多く獲りたいならせめて他の人の小説を読むか、もしくはTwitterで詠唱ツイートしたり重詠唱リツイートしたりしろ。その方が創作活動にとってはいくらか建設的だ」


「は、はい」


「拡散だってタダじゃ誰もしてくれないぞ。ギブ・アンド・テイク。お金がかかってないからこそ、その辺はみんなシビアなんだ」


「なるほど」


「『SNSは意味がない』とか『ただの馴れ合いで創作活動とは言えない』とかそういう極端な意見を言う奴に限ってちゃんとTwitterを利用できていないのが多い。大方自分の作品が思うように拡散してもらえなかったことへの不満からきてると思うがそれは違う。前も言ったが時間は有限だしそれをどう使うかはその人の自由だ。だからこそ、自分の宣伝ばかりで他人の作品をほとんど宣伝しない奴の詠唱ツイートは自然と拡散力が低くなる」


「まあね。仕事じゃないからこそ、自分にとって好印象だったり有益であったりする人しか相手にしなくなるよね普通」


「シビアな世界だがそれが当たり前だ。その当たり前に気付けなきゃ、Twitterはただのプロフィール画面でしかない。だが一度使い方を理解すれば、世界はとたんに広がっていく。1度の詠唱ツイートで何百も重詠唱リツイートしてもらっている人もいるんだぞ。例え1割しかそのリンクをクリックしていなくても、10人以上には拡散されたことになる。1人でも多くの人に読んでもらいたいと思うならこの威力は馬鹿にできない」


「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる戦法だね」


「そうともさ。よく考えてみろ。別にエベレストにチャレンジしようってんじゃないんだぜ?

何を臆することがある。ただSNSでちょっとアクティブに活動するだけだ。やらない損はあっても、やる損はないぜ」


「確かにね」


「まあでもひとつ勘違いしちゃいけない事がある。手当たり次第に他人の宣伝を重詠唱リツイートしまくれば良いってもんでもない。そんな事ばかりしてれば『アイツ、宣伝bot(自動ツイートマシーン)みたいでウザいな』と思う人も出てくるだろう」


「実際、『宣伝ツイートばかりしてますので目障りな方はミュートしてください』ってプロフィールの人も結構いるよね」


「そういう人は親切だし、ネットリテラシーってのをわきまえてるんだろ。まあお前みたいにコミュニケーションが苦手な奴は最初は小規模のコミュニティで始めていくべきだな」


「現実とネットだと距離感が違うから難しいんだよね」


「そう固くなるな。現実もネットも人との距離感は変わらない。自分がされて嫌なことはしない。親切にしてもらったらお礼を言う。そんな程度で良いのさ。顔が見えないからって、現実にいないわけじゃない。ちゃんとそこに人がいるんだから」


「そうだね。もうそういう世界なんだよね。そこで生きてくなら、適応していかなきゃね」


「そういうことだ。さて、まとめだ。星を1つでも多く獲得したいならTwitterを有効に使え。ただしやり過ぎは厳禁。独りよがりで自分の宣伝ばかりもダメ。ひんぱんに拡散してくれる人には、マメにお礼を言う。そんなとこだ。改めて学ぶTwitter魔法の初級編として覚えておけ」


「ああ、まだ魔法って設定生きてたんだ」


「ウィンガーディアム!!」


「れびおっさ!!」


「俺の設定にいちいち茶々いれんな!ボケ!あとヒトの家に来るなら手ぶらでくんな!常識をわきまえろ!クソ!カス!もういい!帰れ!パーティフードが無いなら用無しだ失せろ!」


こんな奴にネットでの距離感を教わってる自分が情けないと思う僕だった。


でもこれからはTwitterももう少しアクティブに活動しようと考えている。もしよければ、フォローしてください。すでにフォローしていただいてる方。気軽に絡んでください。



『理由その7 SNSを有効活用できていない』




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