第03夜 めいろホテル


 ホテルのような場所にいる。

 おそらくはラウンジで、薄暗く、落ち着いた雰囲気だ。

 家具や塗装の色彩もシックなブラウン系でまとめられている。


 しかしこのホテルは無駄に広く、今いる場所からあたりを見回してみても外へとつながっている出入り口は見えない。

 そのために『めいろホテル』と呼ばれているらしい。


 そんなホテルを歩いていると、円柱型の水槽がある場所にやってくる。

 水槽は大きく、中には2匹の巨大な亀が入っている。

 水槽の中は全てが水で満たされているわけではなく、陸地と水場がわかれているタイプだ。

 円柱の一部には穴があいていて、そこから餌を与えられるような仕組みになっていた。

 そのためすぐそばに、亀専用の餌を買うことができる自動販売機も設置されている。

 二十代後半くらいの女性が、その自販機から餌を買って水槽の中の亀に食べさせていた。


 すると、自分はいつの間にかエレベーターのある場所まで移動していた。

 そこには一匹の大きな孔雀のような鳥がいて、こちらに向かって歩いてくる。

 ただ、孔雀にしては異様にクチバシが大きかった。

 その巨大で真っ黄色のクチバシは“オオハシ”にそっくりだ。

 自分はなぜか手に持っていた“羽ぼうき”でその孔雀をあやしてやる。

 黄色いクチバシを軽く叩くと、コンコン、というプラスチックのような音がした。


 その後、自分はエレベーターに乗り込み下の階に降りようとする。

 今いる場所は40階で35階に行こうと思っていたのだが、間違えて33階まで下ってしまう。

 しかたなくエレベーターを降りて40階まで戻ろうとしたが、直通のものがなくて困る。

 なぜこの時、本来の目的である35階に行こうとせず40階に戻ろうとしたのかはわからない。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る