今後の方針を決めましょう
レベルアップ後、各店店長と本部スタッフを呼び寄せて会議を開いた。
POSに転移機能が追加されており、各店の資金を使用することで利用できる。
ロストテクノロジーである転移魔法を復活させたということで各国に激震が走るのは…‥少し後の事である。
「というわけで、この4か所を押さえることになった」
地図を手に説明を開始する。それぞれが魔物の領域であり、侵攻するのにかなりの苦労が予想される場所ばかりだったからだ。
「何がと言うわけなのかの?」
「うん、レベルアップの時に一年以内にこの4か所の土地を押さえないと大魔王が完全体で復活するんだと、光の聖霊とやらに言われた」
「はい!?」
場がざわつく。世界創世の神話に出てくる存在と話したとか言い出すとか、普通に考えたら頭がおかしいかペテン師である。だがここにいる皆は真面目に信じ込んでいた。要するに、こいつならやりかねないというのが皆の思いである。
「後、光の戦士を任命できるようになったからよろしくな」
「「はい??」」
神話によると、光の聖霊がその武器を分け与えた存在である。神器と呼ばれるその武器は手にするものに神の力の一端を分け与えたとか言われる。まあ、カタログ見るとぶっ壊れた性能ではあった。
例えばエクスカリバー、物理防御、魔法防御無視のダメージを与える。要するにどんなに硬いものも切り裂くという伝説のゆえんである。ほかにも、絶対魔法、物理障壁に、強力な自己回復魔法がかかる。一応障壁は効果時間が30秒ほどで、5分程度のクールタイムがある。どこのネトゲですか。
騎兵が持つと対騎兵特効が付く槍ロンゴミアント。こんなの誰が知ってるんだよ。マニアックすぎるわ。ちなみに、指揮官レベルを大きく向上させ、配下の兵を大きく強化する。さすが伝説の英雄王の愛用の武器である。ああ、レイル王に持たせようか。
槍と言えば、物理防御無視と虫系モンスターに特効の付いた蜻蛉切とか、飲めば飲むほど強くなる、日本号とか、相手に刃を押し当てた状態で魔力刃を飛ばす長谷部国重とか、和風テイストの武器リストを見て吹いた。
まあ、神器扱いは政宗と村雨があった。さっきのはSランク武器である。それでも1本しか用意できないので、渡す相手は考えないといけない。しかも高いんだよなあ。
などと、やや現実逃避気味の思考を展開していると場のざわめきが収まってきた。一応建前上、この世界の神は光の聖霊だからなあ。あ、名前はル〇ス様ではありません。大事なことなので言っておく。
「旦那様、それは神器を持っているということですか?」
「うん、俺が考えて授与するようにと」
「「「うえええええええええ!??」」」
「それは旦那様をこの世界の王にと認められたのに等しいのですが?」
「ほえ?」
「だーかーらー、神器を持つものは王以上の……なんというか力を持ちます。神に唯一認められたもの。そりゃ王様より権威持ちますよね?」
「言われてみれば……」
「なのじゃ」
とりあえずモモチ衆に依頼して、魔王陛下とレイル王を合わせてラグランに集合してもらうことにした。同時に東西と南の魔物の領域の調査も同時に行わせる。
どうせテンプレ展開だから、四天王のほかに領域のボスになるような魔物がいるんだろう。あとは、神器を確認する。剣2振、槍が3本、弓が2張、盾が2枚、魔導書1冊、杖が2本、合わせて12名分。
ほかSランク武具がある。一品ものだからこれも慎重に渡す相手を見極めないといけない。正直めんどくさい。
とりあえずエクスカリバーはノブカズ君に、カラドボルクは大剣なのでバルドに渡した。うちの中で人外クラスの実力者である。
ドーガにはSランクのミョルニルとアイアスの盾を与えた。重戦士遠距離攻撃特化型になった。ミョルニルは棍棒にして投擲武器である。さらにアイアスはあらゆる遠隔攻撃を防ぐ。これをぶち抜けるとしたら神器ゲイボルクくらいだろう。
魔国のナンバー1と2に当たる魔王陛下と、王配ジェイド卿、魔王陛下には先述のゲイボルクを、ジェイド卿にはアイギスの盾を渡す。
レイル王には思い付きではあるがロンゴミアントを。個人戦闘力と言うより軍を強化するので、部隊を率いるときに最も効果を発揮するからちょうどよい。
後はどうするか。とりあえず後で考えるかそれとも手柄のあった者に渡すか、いろいろと思案は尽きない。
そして1週間後、両国の王が招きに応じてラグランの地に集った。
伝説ではこう謳われる。聖王の招きに応じ人と魔族の王が集う。悪しき大魔王を滅するためラグランの会盟がここに開かれたと。
うん、なんというでっち上げ&嫌がらせ?
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