最前線の店長とコンビニ経営と
求人の応募を見る。ろくなのがいない。武力不問を外すイコール脳筋でもOKではないんだけどねえ。
街道に自販機を設置した。なぜか動いた。飲み物やポーション、簡易食料……栄養の友っぽいやつとかがよく売れている。代金は自動で回収され、商品も自動で補充される。謎だ。
便利なので狩場の近辺とかにも設置してみる。また素材納品ポストなるものも設置できた。モン〇ンっぽい感じで。リザードの卵とか納品されると回収される。やくそうの素材の草なども回収される。ポイントカードに記録されたポイントで自販機で買いものができる。何この永久機関。
実際問題として、遠方の集落、いつぞやのスイーツ誤発注事件の時にうちの顧客になった、とかだと、素材を運ぶのも一苦労だったりした。荷馬車を用立てるにもそれなりに費用がかかるので、交通費だけで終わりかねないのだ。
素材回収ポストを設置してからは、素材回収の効率も上がり、さらにポイントをためたカードで買い物ができる。非常に商品の回転が良くなった。
さて、こうなるとキャラバンの効率が悪くなる。寄って同じ日程で往復してもらい、素材ほか、人を運んでもらうことにした。高速バスっぽいシステムである。ほかには街道の整備も行った。これは近隣の集落から日当を出して工事の人員を募った。
道を均しなぜか発注できた建材、砂利を敷き詰め上からアスファルトで舗装する。加熱は火炎魔法で一発だった。土魔法で重力を操りぺたんと均す。土木魔法ってやつですね、ファンタジーものでよくあるやつですね、わかります。
というか、自分の膨大な魔力が初めて人の役に立った気がする。コンビニ店主としてお客様に感謝される商売を心掛けてきたが、今回の仕事は領主としてだ。うん、これはいいものだ。たーのしー!。
ふと気づいた。最前線の魔の森付近の店長に適任者がいることに。
「ノブカズ君を店長に、セリカさんを副店長に任じます。よろしく!」
「ふぁっ!?」
「えっと、大公殿下、なにごとです?」
「なに、最前線の魔の森の手前にキャンプを築きました。そこにコンビニ出しますので、店長やってください」
「えっと……はい?」
「殿下、その任承ります」
「うん、よろしくね、セリカ副店長。内助の功の見せ所だよね」
「え、それは……」
「僕とノブカズ君は同郷でね。理想の女性の事をヤマトナデシコっていうんだけど、その条件として、夫を陰から支える、内助の功が非常に重視されるんですよ」
「不肖セリカ、ノブカズ様を支えまくります!」
「うん、よろしく頼みます。彼はどこか抜けてるから、セリカさんみたいな人がノブカズ君を支えてくれるなら安心だよ」
「お任せください!!」
「えーっと、店長……何人の外堀うめてくれてるんですか? 大阪の陣の再現ですか?」
「あー、去年の大河ドラマ、面白かったよねえ」
「まあ、もう見れませんけどね」
「ん? DVDセット入荷できるよ?」
「はい?!」
「デッキもモニターも用意できるっぽいよ? はい、カタログ」
「えっと……このコンビニっていったい何なんですか?」
「さあ? 気にしたら負けだとおもっている!」
「そんなどっかのニートの戯言みたいなことを……」
「これなんてどうかな?」
「え。これって去年なぜかFPSのイベントに参加してたせくしい女優の人じゃないですか?!」
「君ファンだったろ? イベントにかこつけて有給とって秋葉まで遠征してたし」
「そういえば、そのイベントに入る直前にここに飛ばされたんですよねえ」
「へえ?」
「まあ、その話は今度で。ちょっとドーガさんと、最前線に引っこ抜ける人材について相談してきます」
「うん、頑張ってね」
これで最前線の店舗は問題ないかな。ちょっと街道整備してくるか……後お店立てないとだなあ。
「ラズ君、ちょっと北まで道伸ばして来るね」
「お、おう。わかりましたオーナー。お気をつけて……つってもオーナーにかすり傷でもつけられるようなのが出たら周囲は立ち入り禁止ですけどねえ」
「ええい、人を化けものみたいに」
「レベル200近い時点で人外です」
「むう……まあいいや、いってきまーす」
コンビニから北上する。風を纏い、魔力を物質化して飛行機の翼をイメージし、揚力を得て飛びあがる。トベ〇ーラにあらず。
人が踏み固めたレベルの街道なので、火炎魔法で加熱し、急速冷却することで砂礫を細かくする。再度過熱して重力魔法で圧縮。これで土台ができた。タブレットを操作し、砂利を購入、取り寄せて土台の上に乗せる。これも圧縮する。さらに上からアスファルトをかぶせ、加熱後圧縮する。街道の出来上がり。
さらに北上する。風魔法を地面に沿って撃ちだし、木々や下草を刈り取る。魔法で内訳をスキャンし、素材になるものをよりわける。タブレットからポストを設置し、そこに素材を放り込む。素材からポイント換算し資材を取り寄せる。以後エンドレスリピート……。
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