第25話 基地襲撃

小型ジェット機が深い夜を切り裂いて滑空していた


航空機の時速はマッハ1この調子で行けば後10分位で着くとナビには書いてあった


怜王は秘書を倒した後直ぐに目的の今乗って居るこの航空機を強奪した


後2分遅れていたら蒼時が到着していた


そんな危機的状況から脱した今怜王は国連軍太平洋基地に向かっていた


航空機がある地点を突破したら航空機内に異様なアラームが鳴った


(着いたか)


このアラームは警告音だ。味方の航空機でも暗号を送らなければいけない。それ無しでここまで来たため警告されてるのだ


怜王は暗号を知る由もない、ただ普通の航空機よりは長く警戒される事を狙って大将の航空機を選んだ


そしてアラームを無視し続けると





時間は少し遡り怜王の乗って居る航空機がレーダーに入った所だ


「大将の航空機が帰ってきました!」


そういった管制官が顔を曇らせた


「どうした?何かあったか?」


「確かに大将の航空機なんですけど、いつもの合図が無いんです・・・」


管制官が身を乗り出して


「ど、どういうことだ?!」


「わ、わかりません、で、でもいつもと違うんです」


管制官は声を張り上げ


「大将に連絡を入れろ!」


その声で管制塔内は大慌てに成った


(嫌な予感がする・・・)


そして何分間か待ったら嫌な予感が的中した


「報告します、大将は今学園に居ます。あの航空機は空港で強奪されたものです」


その報告を聞いた途端管制塔内に声が木霊した


「総員警戒態勢に入れ!迎撃ミサイルの出番だ!!」


航空機側にある10基の迎撃ミサイルからミサイルが放たれた


「目標フレアを確認!右翼に一発命中!軌道計算上第二プラットフォームに墜落します!」


指令室では墜落の報告がされた


「敵の生存はどうなっている?」


報告してきた兵士が声を張り上げる


「ハッ!まだ確認が取れていません!」


「分かった、念には念をだ。部隊をプランⅮで展開、7班の通信が途切れたら我らも向かおう」


「大将2人が出るまでも無いですよ」


今まで静かだった大将が口を開いた


「慢心した者から死んで行くぞ」


「す、すいません!」


こうして前代未聞の世界を揺るがす国連軍太平洋基地襲撃事件の幕が開いた



基地の大きさは約1,862平方キロメートル香川県とほぼ同じ大きさだ


そしてその基地は25のプラットファームで作られている


その第二プラットフォームに怜王は立って居た


怜王は小型航空機が墜落する少し前に航空機の地面を無くして下に降りた、その為航空機内を幾ら探しても怜王は見つからないのだ


怜王の向かう所は第一プラットフォーム、今大将2人が居る指令室だ


怜王の居る所から直線距離で8キロ怜王は運が良く近場に落ちたらしい


(計画通りに行こう)


そう考え監視カメラの死角を縫う様にして歩くが


銃声が響いた、それも人間が持つようじゃ無い重たい発砲音だった


(バレたか、ッチあれか)


怜王は一台のドローンを見た、そのドローンは熱感知が出来る代物で基地の全隊員の熱と侵入者の熱の違いを発見できる物だ


怜王は自分の体から発せられた温度は消して居たがそれが返って周りの温度と違い警戒を高めたらしい


そして怜王に向かって撃ったのは対空砲、間違っても人間に向けて撃つ物では無い


その対空砲が怜王から見える数だけで40台はあった


それでも怜王は無傷だった


対空砲による一斉掃射が行われるが怜王は走り続けた


300メートル程走ると掃射は意味が無いと気付き兵士の出番に成った


能力者兵の数は軽く5000人を超えていた


「随分な送迎ですね。あなた達のネットワークなら今頃僕の対応策を考えついている所ですかね、でも無意味ですよ恐らく僕の歩みを止めれるのは大将位ですから、医療棟が直ぐに満室に成る筈ですから怪我するなら早い方がおすすめですよ」


先頭に居たスキンヘットの男が苛立ちながら語り掛けた


「ッチ図に乗るなよ小僧、ここまで来たんだ遊びじゃ済ませられないぞ」


「僕の目的は一つです、それが何かあなた達は知っていますか?この基地にあるもの、平和の為にこの基地が建設されたのではない。破壊の為にこの基地が建設された事実を。まぁ意味は分からないでしょうけど」


「俺達が守ってんのは平和でも何でもない。ただ家に居る家族が笑顔で居られる環境だ」


その言葉が合図だったかのように5000人を超える兵士が怜王に向かって能力を発動させた


ただ効果は皆無だった


「家族を守る為にここに居るって言いましたよね?でも大事な物、大切な人、失いたくない誇り。これらを守るのには力何て必要無いんですよ。そこを勘違いしてる時点で僕には勝てない、そして力が欲しいなら人間である事をやめるんだな」


炎が吹き荒れ雷の雷鳴が轟き水が甲板を割っても怜王の歩みは止める事が出来なかった


その歩みは一歩ずつプラットフォームに向かって居た


能力で入って来た攻撃を一部分だけ削除して攻撃進路を変えて敵に攻撃していたら5000人の兵士の殆どが医療棟に送られた





そして指令室に七班の壊滅が報告され


「仕方ない・・・俺らが出るか」


「そうだな。あいつの久しぶりの休暇を満喫させる為におじさん頑張るか」


大将2人が最終防衛ライン第一プラットフォームに移動した


名前はラース 神話名ミソロジーネームヴィーザル


名前はチェイン 神話名ミソロジーネームアブホース


2人の出撃を聞いてプラットフォームの兵士の大半が脱出した


残るは医療棟の逃げれない人々と怜王そして大将2人


そして怜王は第九の鼻歌を歌いながら指令室前に着いた

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