第23話 航空機強奪
辺りは暗くなり人々の喧騒は小さく成っていた
殆どの者が寮に帰ったからだ、それに逃亡中の黒神の行方が未だに不明と言う事があり生徒達は素早く寮に戻ったのだ
そしてその中で人通りが皆無な道に怜王は居た
空港は封鎖され行く人の数が少なく人通りは無かった、そこに怜王は居た
怜王は鼻歌で交響曲第九楽章を歌っていた、第九は1時間程ある歌だ。それを静かな道で歌っている光景は異様だった
鼻歌を歌いながら怜王は空港の前に着きポケットに手を突っ込みながら中に入った
ゲートを潜ると警備員が怜王を静止した
「あっ駄目だよ。今は封鎖されててね親御さんの迎えなら多分もう無理じゃ無いかな」
警備員のマニュアル対応を見て怜王は警備員に近づき
「そうでしたか、それはすいません。ただそれは無意味ですよ世の中は不条理ですね何故今日あなたが当番なんでしょう?違う人は今頃新入生歓迎会が明日で胸を躍らせてるのにあなたはここで怪我をする。非番の人を恨むより運命を恨んでください。いや、元凶は社会かな?まぁ意味は分からないと思いますけど」
警備員が怜王の口調を気味悪がり少し後ろに下がりながら情報通信機器を取り出そうとした
「あっ、あっれ?あれ?どこだ?どこにある?」
腰に情報通信機器は付いて無く机にある大きな予備を使おうとした
そしてその置いてある机に目をやると
「な、い・・・・・・・」
怜王はポケットから手を出し警備員の居る受付用のカウンターに手を置いた
「どうしました?報告しようとしたら報告する為の機器が無くなった見たいな顔してますよ。そしてここは空港だから大きな声を出しても意味は無いと気付いた見たいに顔が真っ青ですよさらに身長、顔付、髪色が連絡に来た逃亡犯と同じで血の気が引いてる顔ですよ。大丈夫ですか?何かありました?」
警備員は後ろに下がるが直ぐに無慈悲な壁にぶつかった
警備員は恐怖で体が動かなくなり
「お、お、お、お前は黒神なのか?」
「どうでしょうね?ただこの現場を見れば誰か分かると思うんですけどそれも分からないほどこの学園の生徒は無能なのかな?無能なのは良い事だと思うよ。この世界は支え合い何だろ?無能の人が失敗するのは支えきれなかった人達の責任だだから現実逃避と責任転嫁が簡単だからね。おっと話がずれたね、でも意味は分からないか」
「ど、どどd、どうする気だ?」
怜王は掛けていたカウンターから手を放し微笑して答えた
「それを聞くの?殺すって答えでも自首するって答えでも君は仕事をしなきゃいけないだろ?それとも職務怠慢かな?でも今回は時間が無いあいつが来ると面倒だからね、だから簡単に言うよ。ここを通せ」
警備員は頷くことも否定する事も出来なかった
ただ見てる事しか出来なかった
怜王はその様子を見て満足そうに頷きポケットに手を突っ込みまた鼻歌で第九を歌いながら空港の中に入って行った
怜王は空港に入り格納庫を目指した
格納庫は数が沢山ありまず一番手前の格納庫を怜王は目指した
格納庫は固く厚いシャッターで閉じられていたが怜王はそのシャッターを消して中に入った
中に入るとシャッターを壊したからなのか中に入ったからか分からないがブザーが鳴った
(目くらましには成るかな?)
怜王は格納庫に入ってた小型航空機セスナのエンジンを付けた
セスナはガソリンが少量入っていて怜王の目的には十分だった
シャッターを壊して更に穴を大きくしてセスナに乗り込んだ
格納庫の近くには警備員が多数近づいてきていた
管制塔では侵入者を知らせるブザーが鳴り響いていた
管制官が事前の連絡とは違い戸惑っていた
「おい!各国の軍はどうしたんだよ?!」
「軍隊は学園の発着場であるもう一つのヘリポートに居ます、防衛省の伝達ミスです!」
管制官は机を大きく叩いた
「仕事位しろ!!」
椅子に座り大きく息を吐き気を取り直して
「警備員はどうだ?」
「封鎖されていた為警備は薄いので破られるまで時間の問題かと・・・」
「仕方ない、廃棄予定だった航空機を滑走路に並べろ!」
部下は驚き手に持っていた書類を落としかけながら
「良いんですか?」
「黒神が逃亡する方が危ない、軍の基地で何をするつもりか知らないがここを通すな」
その言葉を発した瞬間管制塔内にまた大きなブザーが鳴った、しかし、それは前回の音とは異なった
その音を聞いた瞬間管制塔内はパニックに成った
レーダーを見てる管制官は気を取り直して大きな声で絶望の報告をした
「航空機セスナ管制塔に突っ込んできます!」
セスナが管制塔にぶつかるまでの5秒間程度で管制官は気付いた
(航空機を滑走路に並ばせない様にしたのか・・・奴が一枚上手か)
そしてセスナは管制塔に衝突した
怜王は最初にセスナに乗り込みエンジンを付けたそのまま管制塔に向かって飛ばした、セスナが地面から離れた時コックピットを削除して地面に降りた、慣性や空気抵抗は全て削除していたので相変わらずの無傷だった
怜王が降りた所は警備員の集団の中だった
「報告聞いてると思うから分かるよね?まずここで時間稼ぎしても応援が来るまで1時間ほどかかる、で君達を殺すのには5分あれば十分だ。君達は慰霊碑に無駄な死を迎えた人達って書き込まれるだろうね」
警備員の心を打ち砕くには簡単で十分過ぎる言葉だった
怜王はまた鼻歌を始め目当ての格納庫を目指した
辺りには怜王の鼻歌だけだったが強い風が一瞬吹き
「待ってください、あなたの身柄は我々防衛省が拘束します」
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