第19話 本部襲撃
クラス総出で捜索してから数日が立った
成果は発見所か目撃情報も無く、風紀委員の捜査も進展が無かった
神隠しに会ったよな現象だった
そして今は休日、誰かが探しに行こうと言ったが蒼時が体が持たないと言う理由で普通の休日だ
いや、行動こそ普通の休日と同じだが心の持ちようは全くと言って言い程違った
そんな中蒼時は部屋で一人寝ていた
一緒に住んで居る筈の怜王は気分転換と蒼時に気を使い外に出かけた
そんな中静寂に包まれた部屋に携帯のアラームが鳴った
手を取り耳をかざすと
「もしもし!蒼時君聞いてる?!」
「何だよ、寝起きだぞ神無」
「そんな事より重大事件が起きてる!テレビを見て!」
言われるがままにテレビを付けるとそこには凄い量の煙が写し出されていて画面の状況を確認することは出来なかった
「な、何が起きてるんだ?!」
「場所は校舎中央第一エリア」
「ま、まさか総統官邸?!一体何が」
「総統官邸よりふざけてる、風紀委員本部らしいよ」
「・・・・・・!」
総統官邸がホワイトハウスだとすると風紀委員は軍最高司令官総司令部言わば軍の組織に殴り込んだ奴が居るという、暴力団も真っ青な状態だ
「問題はそれだけじゃ無いの!!」
「他に何だ?!核兵器でも持ち込まれたか?」
「首謀者は一人、名前は」
テレビが首謀者の名前を告げた
「黒神怜王」
『黒神怜王』
「え??怜王がか?」
「だ、大丈夫?」
「あぁ、もう大丈夫だよ」
気弱な態度で神無が語り掛けた
「助けて上げてくれないかな?」
「助ける?怜王をか?」
「うん・・・確信も証拠も根拠もないけど怜王君は悪い人じゃ無いと思うの。何か理由があると思うの。聞くだけで良い。私には怜王君を止められる力は無いから。ダメかな?」
「・・・分かった。答えは残酷かもしれないぞ」
「それでも人はやり直せるから。どんな残酷な答えでも止めて上げるのが友達でそこに理由はいらないでしょ」
「あぁ、それより何で今本部を襲撃したんだ?」
「委員長と副委員長は新入生歓迎会の会議が総統と一緒にしてるらしいからその不在を付いたんじゃ無いかな?」
「でも、襲う理由は何だ?」
「分かんないでも国連軍の大将が来てるから学園の名誉を失墜させる事だと思う、それか新入生歓迎会は明後日、それを潰すのかもしれない」
「情報が少なすぎるな・・・神無は新たな情報が入ったら連絡してくれ」
「分かった、ただ交通機関は麻痺してるから」
「想定内だよ」
蒼時は上着を羽織って外に出た
蒼時はまず体の時間を適度に止め走る足の時間を加速させ時速180キロの速度で走った
ある程度走り目的地の風紀委員本部に着いた
風紀委員本部は入場規制され見る事すら難しい状況だった
(放送委員会すげぇな・・・)
さっきのテレビは放送委員会が出した物で蒼時は違う事を感心していた
(どうやって入るか・・・?あれしかないよね)
蒼時は人気の無い所に移動し
世界の時間を止めた
蒼時は人をかき分けて入った
そして時間は少し遡り風紀委員襲撃10分前だ
怜王は風紀委員本部の前に居た
無断で中に入り
「ダメです、ここから先は関係者以外立ち入り禁止なんですよ」
「そうなのか、教えてくれてありがとう、でも君は大変だね。自分でルールを作って自分で縛ってその縛られた範囲が自由だと思い込んでそれを正義と言う大義名分で勝手に他人に押し付ける。ホントにそれが正しいのかい?ま、意味は分かんないだろうけどね」
「な、何を言ってるの・・・?」
「君もすぐ答えを知りたがるのか、答え位自分で考えてくれよ。今は委員長達が居なく知らない生物が勝手に立ち入り禁止の所に踏み込んでるんだぜ。考えれば直ぐだろ?」
「あなたも手伝って」
数人が駆けつけ怜王の周りを囲んだ
「それ以上こちらに来たら発砲します」
「発砲か、それは怖いね。だって痛いんだろ?当たったら生きてたらなんでも直せる科学力が合っても人のトラウマは無くならないんだからそんな物騒な物は出さない方が良いよ、それに自分の身の為にね」
「隊長!良いですか?!」
「構わん!発砲許可を出す!!」
怜王の周りで囲んで居た人達が一斉に発砲した
しかし怜王の周りには何の変化も無かった
「た、隊長?!どうします?!」
「応援を呼べ!ここは俺が何とかする。お前達は情報解析班と相手の能力が何か見つけろ!」
分かりました、と声を放ち囲んで居た人達は一斉に奥に戻った
それを目で見るだけで蒼時は歩みを止めなかった
「貴様、何が目的だ?!まぁ語らなくても良い俺が尋問して聞き出してやる」
「そうですか、仕事は真面目にやらないと駄目ですよね。でも何を尋問するんです?あなた達が勝手に決めたルールに従わずその結果大勢の人から発砲され無事だったら尋問するんですか?高尚なお仕事ですね、まあ意味は分からないでしょうけどね。後邪魔です」
怜王が喋りながら歩き男はそれに対抗するように手を前に出し能力を使った、しかし、怜王が近づけば男の腕は虚空に消えた
「あああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!う、腕がぁぁぁぁぁぁ」
怜王は絶叫している男を無視して歩みを続けた
怜王の目的は地下3階にある武器庫の消滅だ、ただ武器庫までの道のりは対テロ対策で複雑に成っている
しかし、怜王は迷う様子も見せずただ歩いた
2回目の曲がり角を曲がったら前後両方から数人の風紀委員が出て来た
そして前の数人の中から一人の男性が前に出て来た
「そこの君、止まってくれないか?あっ!形式上名乗らなければね。風紀委員書記
書記が言葉を放つと前後から銃弾が飛び交った
それでも怜王は無傷だった
すると書記が拍手しながら
「素晴らしい情報は本当だったのか。指すら動かさず銃弾が効かない能力、それに監視カメラの映像が確かなら接近戦も無理八方塞がりだな。できれば風紀委員に入ってくれると貴重な戦力何だが・・・入る訳無いよな」
「凄いじゃないか、遂に自分たちで情報を絞り込めたじゃないか。まぁ相当量のヒントを上げてるからこれ位は当たり前だけどね。それより道を譲ってくれないか?返答はnoだろうけど一応ね、ただくだらない確かでも無い信じていいのかさえ分からない正義とやらの為に怪我をする必要は無いだろ?」
「その正義が無ければ大勢の人が不幸に成る、それを放っといて居られる訳無いだろ!正義は不変なものじゃないそれは確かだ。でもだからこそ正義は変わり続け何時か本当に正しい正義に変わるんだ!!」
「絶対正しい正義何て同じ価値観でしか物を見れない烏合の衆と同じだろ。それに今は確かな正義では無いだろ、それを君達が体を張って止める意味は無いだろ。そして最後に言おう、道を譲ってくれないか?」
「断る!!」
それを聞いた怜王は止めていた歩みをまた動かした
歩いていると道に大量の油を撒かれた感触似た違和感を地面に覚え足を滑らせた。滑った瞬間一部の空気を無くし空気をなだれこませ小さな爆発を背中で作り体勢を持ち直した
「歩けなくておかしいなと考えてるだろ?能力の詳細は言わないがそこから歩く事は物理的に無理だぞ」
「成程、それは困った。能力は地面の摩擦係数を無くすとか物質を軟化させ歩けない様にするとから辺かな。でもその反応じゃ物質軟化が正解かな。でも能力が分かっただけでは意味が無い。どうしよう?」
「大人しく連行され?!な、何で歩けてる?!」
「言う訳ないよ、ただ君達は愚かだね、自分が決めた事は覆らないと思ってる。それは君達の信じる正義と似てるね。でも何だって覆せるのさ空は飛べないと言われてたけど飛んだ。歩くのは物理的に無理だと言っても歩けた。君達の考えは浅はかなんだよ。意味は分からないだろうけどね」
「そ、総員戦闘開始!!」
能力が吹き荒れた爆発が起こったり火が出たり
それでも怜王は無傷で歩き続けた
怜王が前に居た男の集団を通り抜けると
「ば、化け物めぇぇぇぇ!!」
と言って手を怜王に向けた瞬間
男の下半身が消えた
そしてありとあらゆる攻撃から全て無傷で切り抜け
地下武器庫に着いた
武器庫では中にあるグレネードを数個束にしてピンを抜き爆発させた
誘爆が誘爆を呼び一瞬で武器庫は廃墟と化した
否、それでも怜王の居る所だけは無傷だった
そして怜王は空港に向かった
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