第15話 模擬戦

蒼時達は今第20実戦場に居た


理由は模擬戦の為だ。


この学園の目的は各国が日本の超能力者を間接的に引き抜く事が目的でその引き抜いた人材は軍事的な活用をされるので競争意識を強くする為に模擬戦が行われている。


しかし、名目上は日本の持つ超能力者がテロ行為をした時に能力が分かってると迅速な対応が出来る為と成っている


なのでここで使った能力はレポートから映像まで国連に引き渡される


そんな模擬戦の会場は学園で最も狭い第20実戦場だ


大きさは高校の校庭5個分程だ


そこのベンチに15名のクラスメイトが集められて居た


そして日の光が強く焼き付ける芝生の上に学校内説明でお世話に成った沙雪が立っていた


そして沙雪が模擬戦のルールを説明していた


「まず、武器の使用は自由だ。拳銃、刀、グレネード、全て認められる。だから死と隣り合わせだ。こちらも怪我をしないようにサポートする。ただ気を抜いてると最悪死ぬからな!」


「後、能力の使用も自由だ。」


「怪我をしたら直ぐに医務室に行くように。」


この学園では保健の先生は全て回復の能力を持っている


それに100を超える集中治療室がある為年間の死者は平均で15人程度


今の時代の医療技術は回復能力者の研究によりマシンガンで穴だらけにされても2時間以内に集中治療室に運べば嫁入り前でも傷一つ残さず回復できるのだ


それでも死者は出る為気を付けるに越した事はない


「質問はあるか?」


「・・・・・・・・」


「沈黙は無しだな、ボードを持ってこい!」


クラスメイトがベンチからボードを持って来た


「基本は総当たりだが黒神は体調不良で休みだ。、後日取らせて貰う。では1試合目。星野 秋陽対檜森 桂香。二人前へ出ろ」


秋陽が聖夜に向けて


「頑張るね!余裕だろうけど」


「一言多いぞ」


二人はグラウンドの中央に移動した


秋陽は刀を構え攻撃でも守りでも両方出来る中段の構えで相手の様子を探り、相手の桂香は槍を出してその槍の先端に炎を纏わせた。


周囲も熱を帯びて来た時沙雪が手にマイクを持ち


「始め!」


沙雪が言葉を発し終えた瞬間に様子を見ていた秋陽が相手の手を探る様に右手を狙って切りつけた


相手はいきなりで反応が遅れ


(入る!)


と思い相手を切りつけた瞬間


(な、何?!)


相手の体が綺麗に切れた、ただ切った感触は皆無だった


(確かに切った筈・・・どこに移動した?)


と考えていると後ろから風を切る音が聞こえ振り返ると


(しまった!)


後ろからは炎で熱せられている槍が秋陽めがけて飛んで来たのだ


秋陽は身を逸らすが反応が遅れてしまった為脇腹を少し刺された


「い、痛っ」


しかし相手は止まらず槍を下の方へ向けて次なる突きを行おうとしていた


それを刀で受け止め自分の能力である風を使って刀の振るスピードを底上げし何とか守った


(危なかった・・・)


受け止めた後刀を下から抜き相手のお腹めがけて振り下ろした


するとまた相手の体が切れたが感触が無かった


(何なの一体?)


するとまた後ろから槍が秋陽めがけて飛んで来た


風を操作して自分の刀で守り相手の槍の速度を遅めまた相手に切りつけた


それはカウンターに近かった。すると相手は槍で攻撃を中断して自分の身を守った


(成程・・・分かったわ)


すると秋陽は後ろに大きく飛び


「あなた、陽炎を作って偽物の自分を私に切らせたでしょ?」


相手は秋陽の目を睨み


「どうでしょうね?」


「答えなくても良いわよ、その代わり次のカウンターは痛いよ」


(相手は熱で陽炎を作り2発目で私の後ろに移動してる・・・だからカウンターは避けれない)


そう考えまた風を操り相手のスピードを遅め自分は早くして相手に切りつけた


また切った感触が無かったが後ろからの槍の突きよりも早いスピードで相手のお腹に切りつけた


(良し!)


今回は感触があり確かに相手を切った


桂香はお腹を切られ血が出ている為担架に乗せられた


秋陽が刀をしまいながら


「能力で下手な小細工をするんだったら槍を練習した方が良いよ」


相手は出血が多く答えれなかった


「1試合目は星野 秋陽の勝利!相手の檜森 桂香は20分後には戻るでしょ。それに痛覚は基本あまり感じない様に能力でやってるからトラウマも特に無いでしょう。では第二戦碧空 蒼時対天水 京谷。前へ出ろ」


二人は前へ出た


京谷が自分の武器であるアサルトライフルの点検をした


すると京谷は蒼時の方を見た


「何でお前は武器を用意しないんだよ?」


蒼時はいつもの様に少し笑い


「気にしなくて良いよ」


「ぶっ潰す」


沙雪がマイクを持って


「始め!」


その瞬間時が止まった


その場で悠然と動いているのは蒼時と神無だけだった


蒼時はゆっくりと歩いて対戦相手である京谷の頭に手を置いた


そして手を放して元の立ち位置に戻った


戻った瞬間時間が戻り


バタッと言う音がして京谷が倒れた


ベンチからは


「は?」


「何したの?」


「見えなかった」


「遊ばないで真面目にやれ~}


と口々に声に出したが当事者である京谷は


「・・・・・・」


何も答えず沙雪が2分経ったところで


「勝負あり!碧空蒼時の勝利!」


あたりが茫然としていたら倒れていた京谷が立ち上がり


「何で寝てたんだ?取り合えず続きをしようぜ」


「勝負は終わったよ」


「は?何言ってんの?寝言は寝てから言えよ」


「寝てたの君じゃん・・・」


マイクを持った沙雪が再び声を発した


「勝負は終わったんだ戻ってこい!」


それを聞き蒼時は戻り京谷は納得のいかない顔で戻った


ベンチに戻ると秋陽達が質問をした


「さっきの何?」


「飛び道具?卑怯だね」


「一言多いぞ」


それを聞いて蒼時は唇に指をあて


「秘密だよ」


すると神無が


「あんなのズルだよ!」


と言って周囲を再びポカンとさせた

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