第9話 脱出
蒼時達は蒼時を先頭に咲男、神無と並んで部屋から出ようとしていた
部屋の扉は蒼時が時間を停止させてる為敵は中には入れない状態だった
ただ、敵が来ないだけでコンクリートの部屋で生きては行けないので脱出を図ろうとしている
「碧空、俺がこの部屋に入ってから出るまでに20分掛かったら仲間が入る様になっている。そしてもう1時間立ってる。だからこの扉の向こうは敵だらけだ」
「数は一本道に7人その他の部屋に後12人居るって事で良いんだな?」
「そうだ、作戦通り行こう」
「えっ?作戦ってな」
神無が蒼時に聞こうとした瞬間に蒼時がドアを蹴り飛ばした
それと同時に敵は開く筈の無い扉が開き驚きつつも 世界で最も多く使われた軍用銃としてギネスブックにも載っているAKー47を構え撃とうとした
蒼時は近くに居た驚いて、構えるのが他の人より遅い人めがけてドアを蹴った足を地面に降ろしその足を軸としてもう片方の足を驚いている男の腹に蹴りを入れた。
「が・・はっ」
男はその蹴りを受け壁にぶつかった
「頼む!」
蒼時の声に応じて時間の止められてる2メートル越えの大きなベットに付いてる板を蒼時の前に咲白が置いた
その一連の動作が終わったら茫然としていた敵が銃撃を始めた
蒼時は壁にぶつかった男の頭を触り脳の時間を止めた
「進んで良いか?」
「良いぞ!」
その合図で咲男は板を構えて進んだ
板に弾かれた弾は縦横無尽に飛び回った
「おい!おかしいぞ、なんであんな板一枚打ち破れないんだ!」
「グレネード!」
「増援が来る!持ちこたえろ!」
各々の言葉が一本道に木霊した
「碧空、これ以上は銃弾の衝撃が強すぎて物理的に進めない!行けるか?」
銃弾の雨の為声を大きくして
「任せろ!」
その言葉を放った瞬間蒼時は時間の奇跡を発動した。
この施設に入ってくるまでに使った時間は20分、残り10分で敵を殲滅する
「神無!その板から出るなよ!」
「分かった!」
そして蒼時は敵の群れに突っ込んでいった
敵の頭を触り時間を止める、その繰り返しで3分で道に居る敵の掃討を完了させた
時間を進ませ
「咲男!増援はどこに居る?」
「馬鹿野郎!振り向くな!後ろに居る!」
「なんだっ」
その瞬間蒼時の背中に銃弾が殺到した
それを見た神無が暴れて
「蒼時君!」
「馬鹿っ!出るな、お前まで死ぬぞ!」
すると特殊部隊が着る服を着想した男が前に出てきた
「ふっ手こずらせやがって」
同じ服を着た隊員と思われる人が出てきた
「隊長!この者達起きません!どうされますか?」
「ほっとけ。投降勧告を一応出すぞ」
「はい!投降勧告を出す。従わなければ敵と見なし射殺する」
アサルトライフルを構えた数人が勧告に従わない二人に近づいてゆく
すると一番後ろに居た隊長に鈍い音がして隊員が振り返ると蒼時が隊長を拘束していた
静かな口調で
「動くなよ。隊長が死ぬからな」
「副隊長!どうします?」
さっき投降勧告を出していた男が急に判断する立場となり困惑していると
蒼時が隊長の拘束を放し
時を止めた
「片付いたぞ」
「さすがだな・・・作戦通りだぜ」
二人で納得しあってると後ろで神無が戸惑っていた
「どう言う事?」
「簡単に言えばまず俺がドアを破って近くの人間を無力化する、次に時間を止めた板で盾として機能させ前に進む、進んだら俺が時を止めて掃討、その後増援にやられたふりして自分の体の時間を戻し回復。で隊長拘束して混乱してる隙にまた時を止めたの。残り時間1分!危なかった」
「大体分かったけど、何で私に隠してたの?」
「俺が囮に成ったら邪魔するだろ?」
「そういうことだ、嬢ちゃんは気にしない事だな」
二人は笑いながら『ノア』の支部を後にした
帰り道神無が蒼時に語り掛けた
「聞いて無かったんだけど、蒼時君はどうするの?」
「どうするって?」
「咲男さんを守る方法だよ」
「あ~あ、簡単だよ出る前にちょっと本部に嘘情報流して置いた」
「嘘情報?」
「うん、今回の戦いで死んだ人にこの人を入れたのと、フランスの外務省が非公式で日本に来るって嘘。外務省は待ち合わせ場所に国連軍が来る予定だから心配は無いね」
「成程!」
そんな話をしていたら本屋が見え始めた
「咲男さん、ここに娘さんが居ますよ。」
「何で分るんだ?」
「働いてたんですよここで、おかしいと思ったんですよ。親が居なければあの年でバイトなんて。」
「会って来ても良いのか?」
蒼時は首を横に振った
「知りませんよそんな事、ただ悔いの無い選択をしてください」
それを聞くと咲男は咲白に会いに行った。
その後聞こえたのは親子の泣いた声とその後に響く鬼武の声、そしてその後には幸せな笑い声が聞こえた
神無と蒼時はその一連を見て
同時に口を開いた
「話があるんだ」
「話があるの」
そのまま二人は無言のまま初めて会った場所の近くの公園に向かった
二人がベンチに座ると蒼時の方から口を開いた
「神無の事は今回の件で色々知った。だから俺の昔話を少し聞いてくれ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます