平衡の果て (第3回座談会公開済み)
エントリー#05
作品名 平衡の果て
作者名 SID
作品URL https://kakuyomu.jp/works/1177354054882676398
作品のキャッチコピー、あらすじ
『因果よ、真実を示せ!』
無限の拡がりを見せる氷原。その地に於いて唯一命を保つ巨大なる樹木は因果の使徒なる存在と対峙する。
それは宇宙の有り様を問うものだった――――
Taskey、及び小説家になろうと重複掲載
いったいこれのどこが伊藤計劃なのか? 自分でも疑問に思わないこともない。
もし彼が宇宙ものを書いたとしたら? ――というコンセプトだが、大半の人は違うと思うかな。
作者の宇宙論、及び熱力学に対する知識は古くて浅いので色々とおかしいかと思います。この作品はSFで登録しましたが、ファンタジーでもいいかなと思っています。
作者からの一言、メッセージ
座談会
ななせ「さぁ、始まりましたね、第3回座談会」
七瀬 「プレも含めると4回目だね。僕たちもすっかり舞台に立つのが様になってきた気がするよ。まぁ、もともと人生なんて芝居をしているようなものだから、舞台に立つのなんてお手の物ってわけだね」
ななせ「今日もスカしてますねえ。さぁ、さっそく今回のエントリー作品に行きましょう。タイトルは『平衡の果て』。作者さんはSIDさん。この企画がはじめましての作者さんですね」
七瀬 「こういう出会いがあるのもの嬉しいことだね」
ななせ「そうですね。SFを中心に書かれている作者さんのようで、カクヨムでも作品をいくつも公開されているんですけど、その中の『アンチテイル』という作品がすごく面白くて、いっきに読んでしまいました」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881728944
七瀬 「どんな話なんだい?」
ななせ「新しく発見された彗星の話なんですけど、『彗星の尾』――俗にいう『ダストテイル』や『プラズマテイル』というものが、本来の向きとは逆向きに発見されるんです。これはこれまでの常識ではありえないことで、その理由を探っていくという短編ですね」
七瀬 「ほう。非常に僕たちの好みっぽい話だね」
ななせ「そうなんです。で、話しはエントリー作品の『平衡の果て』に移るんですけど、またしても難解な作品が来てしまいました」
七瀬 「確かにね。冒頭から濃い情景描写が始まるね」
ななせ「はい。まず初めに氷原が広がっていて、月が3つあることが示されて、ここが『地球』じゃない別の星ということが分るんです。その後、引いたカメラが黒いドレスを来た少女にピントを合わせて物語がスタートします」
七瀬 「白と黒を対比させて映像的な描写をしているんだね」
ななせ「そして、その少女が歩いて行った先に一本の巨大な大樹――『世界樹』があって、その樹と対話をするというのが本作のメインストーリーなんですけど、この会話がかなり難しい……」
七瀬 「いきなり、樹が少女のことを〈因果の使途〉と呼んで、少女は樹のことを〈現界の識体〉と呼び始めるからね」
ななせ「その後、哲学的な問答が交わされます。N氏の意見を聞きたいところですね?」
N氏 「ふむ。私はこれを『メタファー』で構成された物語と読んだ。『世界樹』は全宇宙と並行世界のメタファーであり、エントロピーのメタファー。少女は一つの世界のメタファー。『世界樹』は少女に「この地に未来はない」と告げ、少女は「挑み続ける」と言葉を返す。ループ物の亜種として読むと分りやすいのかもしれない」
ななせ「なるほど。『まどかマギカ』の『円環の理』的な? 『世界樹』を『まどか』、『少女』を『ループほむら』に置き換えるとイメージしやすいのかもしれませんね。ん、『世界樹』は『キュウべえ』のほうかな?」
七瀬 「作者の宇宙観が存分に発揮されているのかもしれないね」
ななせ「うまく読みとれたかは分らないんですけど、非常に濃い物語で考察も含めて楽しめました」
N氏 「一つの宇宙が消滅したとしても、また新しい宇宙がどこかで生まれる。宇宙とは合わせ鏡のようなものなのだ。そして尾を噛んだ蛇――ウロボロスのように……」
ななせ「やべー、上手いこと解説がハマったと思ったのか変なスイッチが入ってる! このまま延々に喋りつづけそうだから今回の座談会はこれで終わります。また次回お会いしましょう……」
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