第6話ダンジョン中ボスはじめました3

「そのような理由でしたか。 では後日、基礎の戦闘訓練を始めるとして。 本日はダンジョンに仕掛ける罠や宝箱について考えましょう」

「そうするね。 あ、そうだほねおじさん、ロストさまじゃなくてロストってよんでほしいの」

「え、仮にも上司を呼び捨てにするわけにはいきません」

「でもロストさまってよばれると、なんかくすぐったいの」

「そうですか、ではロスト殿ならいかがですか?」

「それならくすぐったくないのー」

「ではロスト殿、ダンジョン用カタログから宝箱に入れるアイテムと設置する場所を決めましょう」

 ボーンジの言葉に従い、ロストはカタログをめくる。

「これがいいとおもうの」

 大量のよだれを垂らしながらロストがボーンジに見せたのは、大きな肉の塊のページだった。

「これなら、たくさんのひとがひっかかるよね?」

「それはないと思います。 冒険者のほとんどは食料より武器などのアイテム系を求めますから」

「そ、そうなんだ。 じゃあ、えらびなおすね」

 ロストは宝箱に入れるアイテムを選び直す。

「これとかこれはどうかな?」

 いくつかの剣と薬草などのアイテムを指差す。

「いいと思いますが、少し予算オーバーですね。 剣のランクを下げましょう」

 ボーンジの言葉に従いロストは剣のランクを下げた後カタログを開き、先ほどの肉の塊のページを開く。

 再びロストの口からよだれがあふれる。

「ロスト殿、罠用とは別にその肉取り寄せましょうか?」

「え、そんなことできるの? でもよさんたりないんだよね」

「今回はロスト殿のダンジョンボス就任祝いということで魔王秘書様に頼んでみますよ」


 二日後、ロストの元に肉の塊と小包が届いた。

「おにく、ほねおじさんこれたべていいの?」

「生でも食べれるようですが、半分は焼きましょう」

 ボーンジが剣を抜き呼吸を整え、肉の塊に向かって気を高める。

「必殺三日月くだし」

 ボーンジが剣を振るうと肉の半分が綺麗に縦3等分に分かれた。

「ほねおじさん、すごーい」

「いえいえ、これぐらいの出来て当然の年ですので」

(まあ肉相手に使うとはおもいませんでしたけど)

「そういえばもう一つの小包は何でしょう?」

「なんだろうね?」

 小包を開けると一通の手紙と手に装着するタイプの爪状の武器があった。

「ほねおじさん、このてがみなんてかいてあるの? むずかしいじたくさんでぼくよめない」

「魔王様からですね、まとめるとロスト殿の就任祝いとして肉と武器をプレゼントされるそうです。」


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